2011年4月6日水曜日

【ご報告】T2S緊急プロジェクト第1弾「救援物資仕分けボランティア」は中止―空振りを次に活かす決意。

3.11.

日本のみならず、世界が揺れた衝撃の震災。観測史上最高のマグニチュード9.0を記録した未曾有の国難。今回の東日本大震災を受け、社会人有志でも何かできることはないかと考え、T2Sでも緊急プロジェクト「今、東京で私たちにできること」をつくり、その第1弾として、東京都が主催していた「救援物資ボランティア」に参加することを企画しておりました。


これは、日頃から東京を拠点に活動しているT2Sが、「東京で出来ること、東京が出来ること。」をモットーに、多くの人とこの千年に一度の未曾有の国難について考え、行動し、次の千年にわたって持続可能な社会であるために、私たちに出来ることを考えること企画・構想です。

早くから多くのNPOが現地入りしています。かかる専門性を携えて素早く被災地で活躍している彼らの姿には感服するばかりです。ひるがえって、社会人有志が集うT2Sに出来ることは何か。メンバーの多くが首都圏を中心とした公務員や企業のビジネスマンであるT2Sは、果敢に現地入りする専門性と機動性に溢れたNPOや市民団体をむしろバックアップする体制として、首都機能を止めない観点から本来業務を重視しつつ、仕事としてだけでなく、一市民としても出来ることを考えていました。

その第1弾として、まずはアクション。平成23年3月26日(土)、27日(日)に都庁第2庁舎で予定されていた救援物資仕分けボランティアに皆で参加しようと、T2Sメンバーが集まりました。メーリングリストで集まったメンバーは、仕事ではなく、一市民としてボランティアに参加する意を表明してくれました。

しかし、救援物資仕分けボランティアは、当日になって急遽中止となりました。T2Sとしてではなく、主催者の判断で、「仕分け」作業の応募そのものを中止するとの連絡がありました。

実は、先立つ救援物資の「受付」も、都民をはじめ多くの方からの善意により、救援物資が集まり過ぎたこともあり中止されました。物資の「受付」を締め切った状態で、集まり過ぎた物資を「仕分け」るボランティアを募集していた状況がしばらく続いていたのですが、それも中止となった格好。当日、仕分け会場に集まったT2Sメンバーとしては「空振り」に終わった体が否めませんでした。参加に前向きだったメンバーは、皆本当に残念そうでした。

しかし、これはプロジェクト第1弾としては、むしろ成功だったのではないか、と捉えています。「救援物資仕分けボランティア」企画そのものは流れてしまいましたが、 今回の中止は、東京に住む人々の「私にも何かできることは。」と模索した結果が、このような形で多くの義援の思いが集まったと解釈しています。その意味で、当初の目的は別の形で達成されたのではないでしょうか。今回の震災で何かに気付き、行動を起こした人達が多く存在した現れの一つ。 1300万の善意の念を、痛いほど胸に感じました。都民をはじめ多くの皆様の義援の念に、改めて敬服です。
しかし、今回のことを踏まえた課題もあります。例えば、今回のように「被災地のために、何かしたい」と思っている人達が、特定のボランティアについて予想以上に集まり過ぎてしまった場合のことです(ボランティア要員の過剰供給)の問題。今回のように、「何かしたい」と思っている人達が多く存在することは、本当に素晴らしいことです。しかし、そのせっかくの「何かしたい」という思いを持った人々が、今回のように会場に足を運んだら中止になってしまっていた。ここで、この「何か」を、例えば今回の仕分けボランティア以外に向けられたら(効率的な分配の問題)。そのためのコーディネーターが存在したら(マーケットの調整機能の問題)。事前にもっと多くのボランティア情報があり、意欲的な思いの強い人達が取捨選択できたら(情報の非対称性の問題)。今回の「空振り」を受けて、今後に活かすべき反省点を多く発見できました。

また同時に、「ちょっとの情報、ちょっとの行動」だけだとしても、「何かしたい」人達の背中を押してくれる充分なサポートになったということも、大きな成果でした。

まずは、アクション。これからもT2Sは、被災地のために何が出来るかを考えていきたいと思います。

T2S広報・平松