2010年6月11日金曜日

猪瀬直樹氏をお招きし「都庁版 ハーバード白熱教室」を実施しました!

5月28日(金)、T2S設立1周年特別セミナーを実施しました。設立1周年記念として「持続可能なトウキョウへ 今、私たちは何をしなければならないのか?」をテーマに作家、副知事としてご活躍中の猪瀬直樹氏をお招きしました。

冒頭、主催者から「T2Sを立ち上げた時に猪瀬さんの著書『持続可能なニッポンへ』を読んで、T2Sが組織として大きくなったら是非猪瀬さんにお願いしたいと考えていた。」と述べ、猪瀬さんと参加者がインターラクティブに意見交換できるように、ハーバード白熱教室の都庁版といった感じで、これからの東京を変えていくにはどうしたらよいかみんなで考えたいという主旨の挨拶をしました。

これは、当日の事前調整のときに猪瀬さん(親しみを込めて猪瀬さんと言わせていただきます。)から白熱教室みたいな感じでというやり取りがあったそうです。その当たりは、さすが作家としてのセンスの良さが光りますね。

参加者は、T2Sメンバーや意欲ある都庁職員のほか、他自治体の方などこれからの東京や社会に関して熱い思いをもった多様な方々が約50名。

猪瀬さんからいただいた、新刊「東京の副知事になってみたら」(小学館101新書http://www.inosenaoki.com/blog/2010/05/6-8373.html)と新聞記事3部(論壇時評「新しい公共」他者への理解と説得力磨け 東浩紀など)を全員に配布しました。


猪瀬さんが会場に入ると会場は一瞬緊張に包まれました。少し控え目ながら参加者から暖かい拍手、その後開口一番「僕は怖くないですからね」という言葉に会場からも笑いがでて少し雰囲気が和らぎました。しかし、講義が始まると一転し白熱教室のサンデル教授以上の迫力で、ぐいぐいと参加者を猪瀬さんの世界に引き込んでいく感じ。内容として新刊の「東京の副知事になってみたら」がベース。その活字離れの話の中で、「講演の途中に新聞をとっている人!どれくらいいる?」、「東浩紀を知っている人!」など次々と猪瀬さんから参加者へ「問いかけ」がありました。手を挙げた人の少なさに参加者の方も何かを感じるものがあったと思います。
その当時の様子と講義録は猪瀬副知事のブログ及びメルマガに記載されています。

猪瀬副知事のブログ(当時の様子)

http://www.inosenaoki.com/blog/2010/05/post-3032.html

猪瀬副知事のメルマガ「日本国の研究 不安との訣別/再生のカルテ」(講義録)

http://www.inose.gr.jp/mailmaga/mailshousai/2010/100603.html

講義の後は、討議タイムとなりました。最初、会場は緊張気味でしたが一旦質問が出ると、参加者からの質問が途切れることなく、所定の時間をオーバーしてまで、多くの質問に応えていただきました。当日は、日中に元鈴木俊一都知事の都葬があるなど、少々お疲れの様子でしたが、どんな質問もバサバサささばいている様子は、そばで見ていて圧巻でした。中でも採用1,2年目の若手職員が積極的に質問をしたのですが、内容は抽象的、概念的でリアリティがなかった。その質問に対しバッサリ、「自分の仕事に置き換えて」「何の問題意識があるのか?例えば都庁舎に何人働いているのか?ということを疑問に思うことはないのか?」など、具体的な事例を示した質問の仕方、疑問の持ち方を自分の身近な問題意識から考えることの熱いアドバイスをいただきました。これはまさに、新刊の著書に書かれている「言語技術」(活字離れ)のこと。質問者にとってだけでなく、参加者にとっても著書や講義の内容をまさに目の前でデモンストレーションされていて、非常に貴重な体験でした。
講演後は、主催者と企画運営スタッフから、冷酒(富山県の山田錦)とアルバムを贈呈。

日中は副知事、夜は作家として執筆活動をされ、ご自宅で一日のスイッチ切るように、日の差し込み始める早朝、冷酒を堪能されているのをツイッターでつぶやかれていることから、日ごろの疲れを癒してくださいといった意味合いから冷酒をお渡ししました。

アルバムは、参加者の気持ちをカードに書いてもらいそれを全て綴じ込んだものです。これも、ツイッター風で参加者全員の白熱教室に参加する意気込みをつぶやいているものです。猪瀬さんにプレゼントを受け取って頂いたときに、一瞬猪瀬副知事の顔が緩んだのを見て、我々も運営のために日々頑張ってきたことが報われました。(何をプレゼントすればいいのか、何を差し上げたら喜んでいただけるか、いろいろ考え運営メンバーで考えたものですから。)
その後、参加者と仕事等で参加できなかったメンバーが合流し、いつも行きつけのイングリッシュパブで交流会を行いました。猪瀬さんの白熱教室の興奮冷めやらず、その勢いで活気ある会として、大変盛り上がったのでありました!交流によりネットワークを作っていくというのもT2Sの大きな目的ですので非常に良かったです。

今回の1周年記念のイベントでは、T2Sメンバーの有志から企画運営スタッフを募り、その中で、我々は記念すべきイベントを運営する貴重な経験ができました。今回の運営において反省点も山ほどありますが、企画運営スタッフ及びT2Sの方々には、事前輪読会などグループツールなどを活用し、昼夜を問わず有志のメンバーにそれぞれ作業を手伝ってもらいながら、何とか成功させることができたのではないかと思っています。この経験は今後のT2S活動に必ず活きてくると思います。

(その勢いで、10日に反省会&打ち上げを行いました。)

T2S発足から1年というのは一つの区切りを大成功で締めくくり、これから2年目のスタートを切ります。猪瀬さんのような社会のリーダーだけでなく、我々自身も社会を変えていくこと先導していきたいと思います。

文末となりましたが、猪瀬様、そして秘書課長の大場様、貴重なお時間を割いて頂き、誠にありがとうございました。

投稿者:塗田泰久、漆原隆浩