2012年1月15日日曜日

【報告】サスティナブル・シティ研究会レポート(12.22)

12月22日 東京大学本郷キャンパスで、東京大学鎗目准教授、エドワード福井さんとサスティナブル・シティ研究会を行いました。

研究会としては、現在、ご活躍中のお二方をお招きしてお話しを伺いました。

お一人目は、PNBアセット・マネジメント・ジャパン株式会社 代表取締役 水島 正氏から、『マレーシアの国家ファンド PNB社 の日本での活動について』

 もう一人は、東京都副知事 猪瀬 直樹氏から、『東京都が実行する多様なエネルギー供給の具体策』です。
◆PNBアセット・マネジメント・ジャパン株式会社代表取締役 水島 正氏

水島さん(あえて親近感を込めて「さん」と使わせていただきます。)からは、マレーシアという国、アジアの中のマレーシアの立ち位置について、そしてPNBの会社の説明とPNBの事業活動についてお話いただきました。

■アジアの優等生“マレーシア”

「マレーシアについてですが、以下のような特徴があります。

・ASEAN、英連邦にありながらイスラム諸国会議機構に参加している唯一の国である。
・マレー系、中国系、インド系と民族が多様である。
・マハティール首相のLook East政策以降の親日国である。
・天然資源大国として、スズ、ボーキサイト、金、鉄鉱石、原油、天然ガスを算出している。
・先進のイスラム金融大国である。(証券市場規模はシンガポールについで2位)
・2020年までに先進国の仲間入りする目標を立てて工業化を進めている。(GDPはアセアン第3位)」

などの説明がありました。

■経済成長と持続可能性の両立を目指したマレーシアの新経済モデル

「2010年3月に発表された新経済モデルには、「高い経済性」「持続可能性」「包括性」3つの基本方針を掲げている。」

国民の高所得化を目指す中でも、将来世代につけを残さないという「持続可能性」が基本方針に含まれている所が、国の方針として明確でわかりやすい。また、「包括性inclusiveness」はちょっとわかりにくいのですが、健全な国家からできる限り関係する国と多くの利益を得ること?(英語の理解が十分でなくすみません。)という説明がついていました。この政策については、ビデオを見せていただいたのですが、発展するアジアの国ということと、サスティナビリティの概念を強く打ち出しているように感じました。ただ、屋根瓦のメーカーが一面に出ているのですが、チョット層がまだ薄いように感じました。この辺は、水島さんもおっしゃっていました。
■イスラム国家の国営金融会社であるPNB

「PNB(Permodalan Nasional Berhad)ですが、直訳すると国営株式 株式会社だそうです。設立目的としては、政府の新経済政策の中心機能で、①ブミプトラ社会に株式投資を通じた貯蓄を促進②ブミプトラの経済的地位の向上③マレーシアの産業創出の3つです。」

ブミプトラというのは、イギリス植民地時代に、イギリス人や華僑より地位が低く、搾取されたマレー人の地位等の向上を目指した政策で、マレーの歴史を物語っています。
「PNBの特徴として、総額5兆円の運用資産があり、不動産投資信託、不動産投資、政策株式投資VC投資等のポートフォリオを運用している。ただし、社債などはやらない。」

ここのニュアンスとして、金儲けだけのための投資活動は行わないと説明を受け取りました。株主は、首相が理事長の国営財団だそうです。
■PNBJapanとは?

「PNB Japanですが、PNBは海外にシンガポール、イギリス、日本と3拠点もっているそうです。日本に拠点を置いているのは、マハティールさんの親日志向だから。」

日本人としては、大変うれしいですね。日本拠点は、日本、中国、韓国、台湾の上場株式投資を行なっていると説明がありました。

大変興味深いのは、投資先に、エシカル・スクリーニング・メソドロジー(Ethical Screening Methodology)というスクリーニングをかけることです。これは、イスラムからみて不健全な活動に関与しないという強い倫理的な意思を感じました。コアなスクリーニングとして、8つ掲げていて、ゲーム産業、たばこ、ギャンブルや先ほど説明した社債などです。また、財務的なパラメータチェックとして、自己資本率が1/3以上あることなど、健全性とともに、キャッシュを貯めこんではいけないということがイスラムの経典の中で(その中で1/3ということも)うたわれていることから決められているとのこと。
■会場からの質問

Q1)ゲーム産業がだめというと、任天堂などのゲームメーカーだけでなく、モバゲーなどネットワークを介している会社もあり、クラウドコンピューティングなども含めて、IT産業自体が投資対象から外れるのでは?

Q2)オリンパスの事件などをみても、表面的に会社として健全なのかどうかがわからないが、何かそこまで調査できるのか?

などがあり、水島さんからの回答として、

A1)質問の内容については、難しいところ。でも8項目の制限は厳しく思われるかもしれないが、実際に引っかかる企業は、全体から見ると少ない。

A2)内部的な部分の調査は、かなり難しい。だが、有価証券報告書の「問題」の欄をみるとその会社がどのような姿勢で会社を経営しているのかよくわかる。

◆東京都副知事 猪瀬 直樹氏

水島さんの講義が終了する頃、猪瀬さんが会場に来られました。前段の水島さんのお話しを猪瀬さんに伝えると、「是非、東京がやっている発電所建設に投資してください。」と水島さんにおっしゃっていました。
■東京と大阪の連携で電力事業にくさびを入れる

猪瀬さんからは、研究会の前日に、都庁に橋下市長が来られた際に話した内容について、まず話がありました。国や東電が、総合特別事業計画を打ち出そうとしていることを、

「株主に説明もなく重要なことを決めていいのか?」、
「秘密で株主総会をやっているようなものだ」

と指摘し、大阪と連携して、東電、関電の大株主として、今後の電力事業について株主提案をしていくことを橋下市長と話したとおっしゃっていました。
■複合的なメリットがある天然ガス発電所の建設

次に、今進めている天然ガス発電所建設について説明がありました。
「首都圏の経済活動、企業活動を支える電力供給が現状まだ不安定、不十分で、今の東電には、電力需要をまかなう発電所の建設は無理である。東京湾周辺には、運転期間が40年を超える火力発電所が約850万kWあり、5年後には1500万kWとなる。

東京都では、九都県市連携でファンドを作り、天然ガス発電所を建設する。東京都では、組織の縦割りを打破するために、プロジェクトチームを作り調査を進め、東京湾周辺に建設候補地を上げている。

なぜ、天然ガス発電所かということについては、建設費が安いこと。発電所建設に当たって必要な敷地が少なくてすむこと。これらは、川崎天然ガス発電株式会社の発電所をはじめ水力、コジェネ、地熱発電所を視察に行ったことなどを踏まえて検討した結果であり、天然ガス発電所は、100万kW級でも6万平米(川崎火力発電所を例に、実際は、緑地があるので発電施設としてはもっと狭い。)と用地が少なくてすむことである。

建設コストとしては、川崎火力発電所の場合、平成18年に運用を開始されたこともあり、建設費は600億円でできた。しかし、現在は、中国の建設ラッシュの状況などもあり、鉄鋼等の価格が上昇し、1000億円程度かかると試算している。その資金として九都県市が公共セクターとして拠出するが、足りない分は、公共セクターの信頼を活かし民間から2割くらいの投資を見込んでいる。

老朽化した火力発電所の発電効率は、約40%であり、それを最新の天然ガスコンバインドサイクルにすると、効率は60%で1.5倍の電力が得られる。いつ壊れるかわからない老朽化した発電所を更新することは、電力の安定的な供給を確保するだけでなく、環境にもとてもいいことになる。」
■電力送電網は高速道路、発電所はS.A.

「発電所をつくる計画とともに、発電した電力をどのように送電するかということをかんがえなければならない。東電の固定試算について分析した結果、発電所は約2兆円、送電網については、約5兆円となっていて、発電所より送電網が2.5倍もある。資産管理上も運用上も送電網が重要であること。電力事業を高速道路に例えると、発電所は、サービスエリアで、送電網が道路であるということが分かった。」
■発送電分離は、「言語明瞭、意味不明」

橋下市長との会談で、マスコミが「発送電分離」という報道をしているが、猪瀬さんはそんなことを言ったのではないとおっしゃっていました。

「『発送電分離』というのは言語明瞭意味不明。マスコミは表面的なことしか取り上げず、深い考察、議論がされていない。発送電分離とはどのようなことか、きちんと理解をしている人が少ない。」

原発事故など東電バッシングの中で言葉だけが先行していることに会場の参加者も気付かされたと感じました。

発送電分離より、なぜ電力会社が9社もあるのか、ということに触れられています。

「今秋に東北電力の供給能力が100%に近くまでいったことで、東電から融通された。周波数の関係で東西の統合は無理があるが、むしろ統合すべき。」
このことは、東京メトロと都営地下鉄の問題と同じで、統合することで共通経費が削減でき、サービスが向上する。公益事業の経営のあり方を示しているのでしょう。特に、送電の運用についても東電の能力は高く、現状では、東電以外には考えられないこと。このままの経営体制でも、国営化するのでも現状の人材、組織が運用せざるを得ないだろうと考えを示されていました。
■東電がすべて悪いのではなく、悪いのは電力事業のガバナンス

「発電に関しても、送電に関しても東電(の現場は)は真面目すぎるくらい、まじめにやっている。また高い技術を持っているので、首都圏で発電所を作っても運用は、東電の社員がやってもらってもいい。また、送電も然り。何が悪かったかというのは、電力事業のガバナンスが悪かったのだろう。」

■意外と知らない現状の電力自由化

「現状、東電の電力網を使って電気事業を行なっている特定規模電力事業者(PPS)がある。PPSには「30分同時同量」という規制がかけられている。一般電気事業者以外のPPSなど電気事業者は、自分の会社が作りたい時に電力を作って、作りたくないときに作らないというのは許されていない。PPSの発電所の送電端にメータが取り付けられていて、またPPSの顧客にもメータが取り付けられていて、30分の間、ある範囲を超えてしまうと、ペナリティを払わなければいけない規制がある。これは一種の保険のようなものだ。東電などの一般電気事業者には、電気を安定的に供給しなければならない義務がある。我々は、それにお金を払っているのである。」
■身近な電力の単価、契約を意識しているだろうか?

「では、実際に我々が支払っているのは、いくらか?また単価はどのくらいなのか知っているだろうか?例えば、ここ東大はどうだろう?家庭はどうだろう?以外とみんな知らないんです。東京都の施設の料金、単価を調べさせたら、様々であった。また、同じ東京都であっても、施設ごとに東電と契約している。それはチョットおかしいのではないだろうか?」
■発電所は地域の観光資源、付加価値創出

「地域に発電所があることが一部の住民には、迷惑だと思われるかもしれない。でもその発想は変える必要がある。例えば、煙突の周囲を囲むように、煙突の排熱を利用して野菜を作ったらどうだろうか?また照明で照らし、演出したらどうだろうか?地域の観光資源としても有効だと思う。天然ガス発電所の建設については、そういった視点からも考えていく必要がある。」
■会場からの質問として

Q3)東京都にエネルギーのことなど提案したいのだが、提案に行くと担当じゃないとか、はねられてしまうのですが、どのようにしたらいいのでしょうか?
Q4)電力事業の国営化について。

 などがあり、猪瀬さんの回答としては、

A3)都庁も確かに組織の縦割りがある。副知事に就任する際に、議会から承認を受けなければならないが、行政組織に関与しないようにとの条件で承認された。副知事としての担当は、国や特別な課題についてである。だが、そういう制約の中、組織の縦割りを個別課題のプロジェクトチームを作って対応している。提案があればどんどん提案して欲しい。

A4)なぜ国有化がいいのか説明してほしい。(質問者「わからない。」)では、国有化にこだわらなくてもいいのではないか?
研究会終了後、名刺交換が行われ、参加者や登壇者との交流がはかれました。

特に、交流会では、事務局、参加者などさらに交流をもつことができました。

会場が小規模の会議室であったため、登壇者との距離も近く、特に、猪瀬さんの発言は説得力があると言った感想を持たれている人もいました。
今後も、特にエネルギー、資源を対象として、サスティナブル・シティ研究会を行なっていきたいと思います。
以上

2012年1月10日火曜日

【告知】東京の中小企業振興って何だろう~東京都の施策と企業現場を学ぶ~

このたび「東京の中小企業振興って何だろう」と考えるシリーズものの企画やります。

内容としては、第一弾で中小企業振興で頑張っている自治体職員のセミナー企画、第二弾で、実際の企業現場を訪問して、頑張っている社長さん等からお話を伺う企画の2つを行います。

まず第一弾として、1月13日(金)の夜に、都庁の産業労働局の課長と、八王子市役所にて産業振興に携わっている係長さんを招いて、「東京の中小企業振興って、何だろう??」をテーマに、色々とお話をする会を開催します。

詳細は下記のとおりですので、参加希望の方は、藤田までご連絡ください。

先着順及び〆切もありますので、お申し込みはお早めに♪

【東京の中小企業振興って何だろう~東京都の施策と企業現場を学ぶ~】

1 企画のねらい

○ 東京の中小企業振興は重要だ!!という話はよく聞くが、東京で働く自治体職員でありながら、実際東京都は、どんな施策をやっているのか、よくわかっていない人も多い。

○ 現場は重要だ!!という話もよく聞くが、技術力等が優れている中小企業等の現場に行って、頑張っている社長さんなどから話を聞く機会もあまりない。

○ 今回は、東京都の産業振興に関わっている方々から、都の中小企業施策の概要を聞いたうえで、さらに企業現場を訪問し、都の企業の技術力等の高さを実際の生の現場で体感し、本当の「東京における中小企業振興とは何か」を考えてみる。

2 講師

(1) 東京都産業労働局企画担当課長 奥山雅之氏。商工部計画担当係長、商工施策担当課長などを経て現職。東京都産業交流展の開催、東京都産業振興指針2011の策定等に携わる。

    当日は、東京都の中小企業施策の概要をお話いただきます。

(2) 東京都産業労働局商工部創業支援課係長(八王子市役所から派遣) 鈴木泰氏 八王子にて10年以上産業振興に携わっており、他にもまちづくり活動など多彩に活動中。

    当日は、地域の中小企業の役割などをお話いただきます。

3 対象者

(1)東京で働く自治体職員。もちろん興味ある方であれば、公務員以外も参加OKです!!

4 日時及び場所

(1)日時

  2012年1月13日(金)18時30分~21時まで

  ・18時30分開始

  ・18時30分~20時 奥山課長、鈴木係長からのお話

  ・20時~20時50分 参加者でグループトーク

  ・20時50分~21時 片付け・解散

  ・21時~ 懇親会(参加任意)



(2)場所

  ・東京都庁第一本庁舎25階会議室(決まり次第、別途ご連絡します)

5 お申し込み方法

○お名前
○懇親会参加の有無
○ご所属(任意)

を記載の上、 level2001jp@yahoo.co.jp (藤田)までお申し込みください。

6 注意点

○会場の都合などから1月13日セミナーのお申し込みは先着25名及び1月10日(火曜日)〆切とさせてください。

7 企業訪問について

○ セミナーとは別途1月27日(金)14時くらいから東京で頑張っている中小企業訪問を行います!!
○ 当日は八王子市内の企業を訪問する予定です。詳細が決まりましたらご連絡します!!

8 主催団体(T2S及びTOPICの共催)

(1) Tokyo Think Sustainability(略してT2S)

「持続可能な東京」を考えるプラットフォームとして東京都職員、民間企業、大学関係者などが参加するコミュニティ。
http://tokyo-think-sustainability.blogspot.com/

(2) Tokyo Public Innovators’ Community(略してTOPIC)

「東京から公共をあたらしくする」を合言葉に、東京で働く公務員のつながり作りを目的としたコミュニティ。主に東京都内で働く自治体職員などが参加。

https://sites.google.com/site/tokyopublicinnovatorscommunity/

2011年11月19日土曜日

【場所が変更になりました】無縁社会ワークショップ(11.24)

T2S事務局です。

以前こちらでもご案内した、Tokyo Design Model City.(ToDeMo.)が11月24日に開催する「無縁社会ワークショップ~「日本の、これから」から1年~」の会場が変更となりました。

会場は、東京都庁第2庁舎10階201会議室となりました。
※同じ建物、同じフロアの別の会議室です。

なお、当日のスケジュールの詳細については、以下の通りです(途中退出・入室可)。

6時30分開会:ファシリテータ-プレゼン

7時15分頃:パネルディスカッション

8時00分頃:ダイアログ「あなたの考える『地域コミュニティ』にできることとは?」

8時50分頃:終了予定

お申し込みはこちら⇒http://kokucheese.com/event/index/19394/

どうぞ宜しくお願いします。

2011年10月31日月曜日

【報告】グリーンバードゴミ拾い参加報告(2011年10月17日)

 グリーンバードゴミ拾いにT2Sのメンバーと職場の友人達とで参加してまいりましたので、そちらのご報告です。

集合場所にいってみたら、まさしく歌舞伎町のネオン街入り口の歌舞伎町一番街でした。

参加者は、グリーンバードのロゴ入り(コカコーラの協賛でした)の緑のビブスをつけて、歌舞伎町をゴミ拾いしながら練り歩きました。

これからご出勤と思われる夜のお仕事の方々や飲み屋の間を、吸殻、空き缶、ペットボトル、ビニール傘などなどあらゆるゴミを拾いました。

時に、ゴミ拾いに夢中になって、通る車などに気づかないほどでした。

拾っている間は、参加者同士で、好きな音楽の話をしたり、お店の人に「ご苦労さまです」と声をかけられたり、歌舞伎町とは思えないほど、和気藹々とした雰囲気でした。

旧コマ劇場前の広場で、ゴミを集めて、分別して終わりましたが、1時間ちょっとで、30人程度の参加者でしたが、大型ビニール袋10個分くらいの大量のゴミが集まりました。

仕事帰りに、気軽に参加できるので、歌舞伎町のグリーンバードオススメですよ。

月2回程度活動しているとのことなので、また参加するときに、お声かけしたいと思いますので、興味ある方はご一緒にぜひ♪

ちなみに、終わった後は、T2Sメンバーで、ラーメン屋の大勝軒にいって、みんなでつけめん食べてきました!
!

今後ともよろしくお願いします。 (文責 ふじた)



☆「無縁社会ワークショップ~「日本の、これから」から1年~(11.24@新宿)」を開催します!☆
☆詳細は、こちらから⇒ http://tokyo-think-sustainability.blogspot.com/2011/10/1124.html☆



2011年10月23日日曜日

【10.16】ライブトーク「ひきこもりたちの東日本大震災」スタッフレポート!

10月16日に銀座、文祥堂イベントホールで開催されたライブトーク「ひきこもりたちの東日本大震災」で開催され、T2Sのメンバーもスタッフとして参加しました!今回は、その様子をレポートします。

2010年7月時点で225万人も存在していると考えられているひきこもり。そんな彼らが3.11時点、あるいはそれ以降どのような実態にあったのかについて報告し、問題を共有しようと企画したのが、今回のイベントでした。

まず、オーガナイザーから、何度も被災地に足を運び、「災害弱者」として捉えられるひきこもりについて丹念に取材したことについてプレゼンされました。

また、スピーカーの斎藤さんも、精神科医としてのお立場やご見識で、示唆に富むお話をして下さいました。

3・11当時、津波よりも外に出て地域の知り合いと出会うことに恐怖を覚え、体が動かず、避難することのできなかったひきこもりの方がいたことや、避難できたとしても、避難所での集団生活に馴染めず、苦労されたひきこもりの方がいたことなど、現地に行かなければ知ることのできない、貴重なご講演でした。




その後は、各スピーカーのもとに参加者が集まって議論をするダイアログが開催されました。当日はニコニコ動画の中継もあり、カメラ位置を気にしながら、両先生たちへのショットに「カブ」らないように、意識をしながらのファシリテートとなりました。

会場で特に強調されていたのは、「つながった人」には「フラット化」と「人のため」という2つの現象が起きていたということでした。

例えば就職できなかったことにコンプレックスを感じひきこもっていたが、震災でそれどころではなくなり、外に出ていけるようになったことや、買い出しやボランティアといった役割を与えられることによって、「自分でもできることがある」という自信がついたなど、「ピンチは、実はチャンスの裏返しである」というメッセージが、私には聞こえました。


また、斎藤氏がおっしゃっていた、社会関係資本(人的ネットワーク、縁)格差が災害時により大きな差として顕著にあらわれるというお話が印象的でした。災害時に有益な情報をホームページで情報をいくら更新したところで、「いつの間にか更新されてた」ということにすら気付けない人が、たくさんいた。そういう意味で、「縁」の再構築が必要なのだと思いました。
T2SでもNHK「日本の、これから」座談会参加を契機に、無縁社会について、これまで1年間研究してまいりました(後述)。その話題に引きつけて考えると、今回、震災を機にひきこもりから脱却した人の、その脱却できたボーダーが、「自分の役割を見つけた」ところにあったとするならば、これは有事でないときでも、このような手法でのコミュニティの再構築は可能ではないかと思えました。


以前も述べさせていただきましたが、ひきこもりたちの大震災やってから考えが逆転した。この問題は無縁社会が原因というより、濃厚な有縁社会(親や地域のしがらみ)がひきこもろうとする動機で、結果として無縁になったのだと考えるようになりました。今まで漠然と、無縁社会というテーマには、ひきこもり問題があって、漠然と、無縁社会を原因として、ひきこもり問題が生まれたと考えていたのですが、どうやら、その直接的な因果関係はむしろ真逆だったのでは、と仮説を持つようになりました。

つまり、ひきこもり問題のきっかけは、個人の話でいくと色濃い有縁社会からの脱出だったのかもしれないが、その結果としての無縁社会がある一方で、それを助長させてしまうのも無縁社会なのではないかと。「お宅の息子さん、最近見かけないね」の一言が無い社会(無縁社会)が、その状態を助長させてしまうのではないかと、考えるととても逆説的で、コロンブスの卵のような議論ですが、こういった複合的な要因が、この問題にはあるのではないかという知見を得ました。

なにやら難しい話をしてしまいましたが、そんなことを考えているうちに、懇親会の時間となりました。懇親会では、「美味しい社会貢献」をモットーとしているソーシャルエナジーカフェさん(http://www.socialenergy.co.jp/cafe.html)のお料理を頂きました。とても美味しく、そして字のとおり社会貢献にも寄与する、とても素晴らしい取り組みだと思いました。

今回のイベントで得た収穫は、とても大きいと感じました。次回行うイベント:無縁社会ワークショップ~「日本の、これから」から1年~(11.24@新宿)でも、この経験を生かして頑張りたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。

☆「無縁社会ワークショップ~「日本の、これから」から1年~(11.24@新宿)」を開催します!☆

2011年10月15日土曜日

【告知】無縁社会ワークショップ~「日本の、これから」から1年~(11.24@新宿)


東京が描く都市型モデルを探求するTokyo Design Model City(以下、ToDeMo.)が、この度、無縁社会に関するワークショップを開催します。
無縁社会とは。
地域コミュニティとは。
そして、あるべき未来とは。
皆さんと一緒に考え、行動につなげる企画。
ご参加お待ちしております。


【 日 時 】平成23年11月24日(木)18時30分~(2時間30分程度)

【 会 場 】都庁第2庁舎10階213・214会議室(定員60名程度)

【 内 容 】 無縁社会研究報告会及び参加者によるダイアログ

・ファシリテータープレゼン「『日本の、これから』から1年~研究進捗報告~」(仮)

・参加者ダイアログ「あなたの考える『地域コミュニティ』ができること。」(仮)

【参 加 費】100円

【募集期間】平成23年10月17日(月)から平成23年11月22日(火)まで

【申込方法】こくちーず(http://kokucheese.com/event/index/19394/)から

【ToDeMo.について】
 Tokyo Design Model City(略称:ToDeMo)は、ポスト3.11における東京都市圏の地域コミュニティについて考える若手職員サークルです。HPは、こちら(http://todemo.jimdo.com/)。

宜しくお願いします!


<『日本の、これから』から1年とは> -------------------------------------------------

○昨年秋、NHK市民参加型番組「日本の、これから」(現在は終了)で無縁社会を取り上げた際(2010.10.30放送)、番組座談会が開催され、平松をはじめとしたT2Sメンバーが出席し、議論に参加。これを機に様々な人たちとこの問題について考える場を提供したり、自主的な研究を進めてきた。
○今年1月、NHK「日本の、これから」座談会〈無縁社会〉参加報告会を開催。タイガーマスク現象の高まりも相まって、好評につき第2弾を企画していた最中、3月に東日本大震災が発生。メンバーも被災地へ向かい、復興支援に当たった。
○3月の震災以降、地震や津波によって我が町を失ってもなお、絆の深さや地元コミュニティの再建に取組む東北の人達の賢明な姿を目の当たりにし、3・11以降の地域コミュニティを考えるように。
○5月、都市における先鋭的な課題について、若手職員を中心に集まって共同研究を行う「都市政策研修」に、平松をはじめとしたT2Sメンバーが受講。「無縁社会と地域コミュニティ」について政策提言を行うべく、通年の研究を始める。
○6月、「東日本大震災・震災支援報告会&意見交換会」を開催。仕事、ボランティア、プロボノ活動等、様々な経験をした人たちが集まって議論を深める。7月以降は、共同研究と並行して、都内各地のNPOや商店街、コミュニティビジネスを展開する民間企業等へフィールドワークを行う。
○10月、トークライブ「ひきこもりたちの東日本大震災」に協力参加。
○11月24日、本イベント開催予定(『日本の、これから』から1年)。
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2011年10月14日金曜日

【8.26】これからのエ~ネ・ライフスタイル in 新宿 実施報告パート2

 8月26日(金)エコギャラリー新宿において行った「これからのエ~ネ・ライフスタイル in 新宿」イベントの実施のご報告(パート2)をさせていただきます。前回ご報告しました実施報告パート1では、新しい価値観や技術で社会を変えていこう!という5名の方々にショートプレゼンをして頂き、その熱い思いをベースにダイアローグを行いました。


 イベントの最後に、駆けつけてくださいましたRio+20 国内準備委員会共同議長である崎田裕子さんから「地域連携で実現する環境のまちづくりと環境NPOの役割~今できるライフスタイル~」というテーマで講演していただきました。

 講演のはじめに、会場のエコギャラリー新宿に展示してあるソーラークッカーを見られて、ヨハネスブルグで行われた地球サミットに崎田さんが参加されたときに、地元の方々がソーラークッカーでごく自然にお茶を入れたり、料理を作られていたそうです。そもそも崎田さんは、エコギャラリー新宿の指定管理者(表現が固いですが・・)NPO法人新宿環境活動ネット代表理事でもあります。ヨハネスブルグで行われた地球サミットの話から新宿区に根ざした活動について。さらに、日本レベルの「低炭素・循環型・自然共生」をつなぎくらし・地域から実現する持続可能な社会の活動として中ノ俣“棚田米”プロジェクトなどの紹介がありました。グローバルな視点から新宿区に根ざした活動をされている崎田さんのお話は、実に説得力がありました。

 特徴的だったは、トリプルボトムライン(経済、社会、環境)をベースにしたスライドです。環境に低炭素社会。経済に技術革新。社会にくらし、仕事。と置き換えて、循環型社会と生物多様性を加えています。真ん中にパートナーシップ。つまり連携、協働という言葉を示されました。崎田さんの地に足をつけながら、その地域を連携させていき地球レベルの問題を考えられている視点がよくわかりました。

 崎田さんの熱い熱いお話で少々イベント時間が超過してしまいましたが、その熱気を交流会を行う別会場に持ち込んで、楽しく元気にお酒を飲みながら交流を行いました。


 最後に、このイベントで使用したゆらぐLEDの評価をご報告します。


◆イベントの成果としてゆらぐLEDの省エネ効果

 会場の約2,500W(Hf蛍光灯18本、蛍光灯48本)の蛍光灯がゆらぐLEDによって、60W(ゆらぐLED7台)の消費電力になりましたので、98%も電力を減らしたことになります。LED(白色系)は省エネ機器としてのイメージがありますが、実は、省エネ性能としては、蛍光灯と同じくらいです。特に、今回使用した暖色系のLEDは、白色系LEDに比べて2割くらい効率が悪いので、蛍光灯には及びません。

 では、なぜ省エネができたのかというと、LEDの技術ではなくゆらぐ明かりを使って、蛍光灯を使うものより薄暗くしたからです。つまり、LEDやゆらぐ技術というイノベーションだけでなく、その利用方法にゆらぐLEDはパラダイムシフト(ライフスタイルシフト)を起こす可能性があることを示せました。対話の場の設定として、オフィスのような隅々まで明るくするようなものではなく、薄明るいほうがいいという価値観の変化を参加された方々に体験して欲しかったのです。ライフスタイルのシフトは、どうなのか?という議論ではなく実際にその例を体感して、薄明るい空間の価値観、他にどんなものがあるのか皆さんにかんがえていただきたかったのです。


◆アンケートの集計結果

 ゆらぐLEDを使ったダイアローグを行った後に、ゆらぐLEDについてアンケートを取りました。回答いただいた19件について

・ゆらぐLED照明はいかがでしたか?

□大変よかった  □よかった  □普通   □悪かった □大変悪かった

という問に対して、

よかった    10件
大変よかった   8件
普通         1件

という結果をいただきました。

・ゆらぐLED照明をどのように感じましたか?(複数回答可)

□やすらぐ □省エネ □前向きになれる □温かみがある □話しやすい 

□人の話しを聴きやすい □まぶしい □刺激的 □気になってしまう 

□家にほしい □全然なにも感じなかった

 やすらぐ                    11件
 温かみがある                10件
 省エネ                      4件
 前向きになれる、人の話を聴きやすい 3件
 話しやすい、家に欲しい           2件

という結果でした。ゆらぐLEDは、省エネだけでなく使う人にやすらぎや温かみなども感じてもらえるものだということがアンケートの結果からわかりました。

 この夏は、義務感や我慢による無理な節電を行いました。これからは、こういった皆さんが楽しんだり、やすらいだり、ワクワクしてもらいながら、省エネができるような付加価値の高いイノベーション(サスティノベーション)を創出、サポートしていきたいと思っています。ちなみに、イベントをきっかけとしてFacebookでグループを作り、情報をやりとりしています。

 この夏だけのムーブメントにならず、継続してエネルギーの消費が少ない持続可能な社会に向けて少しでも活動ができたらと考えています。

 今後ともどうぞご期待ください。

2011年10月7日金曜日

8.26【これからのエ~ネ・ライフスタイル in 新宿 実施報告パート1

エ~ネ・ライフスタイル会場@エコギャラリー新宿
8月26日(金)エコギャラリー新宿において、地球サミット2012Japan、環境パートナーシップ会議との共催でエネルギーのライフスタイルシフトを考え、実行していくためのイベントを行いました。大変遅くなりましたが、イベントの実施のご報告をさせていただきます。


東日本大震災以降、我々市民が政治や社会全体を他人ごとのように批判したりすることが多く見受けられました。そうではなく、まず自分から変えていくということで、自分自身のライフスタイルを見直し、楽しく、かしこくライフスタイルをシフトしていくことはできないかとこのイベントを考えたのです。それと、今開発中のゆらぐLEDを使って、薄くらい空間でも蛍光灯の明るい空間よりもいい雰囲気を体感してエネルギーのことを話し合えたら、素晴らしいと思ってイベントを企画させていただきました。

そういったことだったのですが、イベント当日は、午後3時ころから今年一番のゲリラ豪雨に見まわれ、会場のエコギャラリー新宿の入り口は滝の様に水が流れていました。登壇者や参加者にも大分影響がでて、大幅にプログラムを変更して行いました。

自然からの刺激(プレゼント)をいただきましたが、それにめげずイベントは予定通り行いました。まず地球サミット2012Japanの小川拓哉さんからこのイベントの共催である地球サミット2012Japanの活動とこのイベントについてのオープニングのショートプレゼンの後、ライフスタイルのシフトに向けて、5人の方からプレゼンテーションをしていただきました。
オープニングの後は、それぞれ新しい価値観や技術で社会を変えていこうという人たちにプレゼンをしていただきました。

ゆらぐLED
まず電精工業の遠藤さんからは、皆さんがあまり意識しない、街灯のLED化の話をしていただきました。街灯は小さくても80W、大きいのは700W。それが一晩中、点いているんですね。遠藤さんから家庭の電力消費と比べて、街灯がどれだけエネルギーを使っているか熱く、分かりやすくお話いただきました。LEDにすることで7,8割電力量が削減できるとのこと。また、節電で消している街灯についても、本当なら必要なはず、省エネのLEDにしてつけたらいいのではという提案を受けました。

鹿島建設の柳さんからは、廃食油を精製してできるバイオディーゼル燃料についてお話いただきました。バイオディーゼルは、バイオエタノールと違い、店舗や家庭から廃棄物として出る廃食油から精製してつくります。いわゆる廃棄物の有効利用によってリサイクルしています。そのため農作物であるとうもろこしやサトウキビからつくるものではないので、食料との競合や、作るときに使うエネルギーがバイオエタノールに比べてもとても少ないということなどの説明がありました。これから、皆さんの生活や家庭で出される廃食油も自動車の燃料や発電機の燃料に使われる社会を目指して、是非頑張っていただきたいと思いました。
Sassorの石橋さんからは、家庭の電力消費を測って私たちの生活の中で、どれくらいエネルギーが使われているのか、実感できる技術と商品を開発されたお話がありました。石橋さんは実際に、テレビの消費電力を測ってみたそうです。すると、テレビの明るさの設定を変えるだけで消費電力は大幅に少なくなることが分かったそうです。実際に消費電力を測ってみないとわからないものなのですね。

リーデの村岡さんからは、ゆらぐLEDの開発について話して頂きました。ゆらぐ技術の元は、ICカードの暗号化技術から来ているそうです。その暗号化された信号を眼に見えるようにしたらどうなるのか?という発想からゆらぐLEDが生まれました。ゆらぐことによって人のやすらぎが生まれます。また、ゆらぐことによって2割程度省エネになります。節電で暗いというのは苦痛ではない。むしろゆらぐLEDのように安らぎの空間がつくれるという発想の転換です。イノベーションがパラダイムのシフトを生み出す。ゆらぐLEDはまさにそういった技術ですね。

登壇者最後は、菜園クラブの増山さん。増山さんからは、ホットな話題として特定農地貸付の制度による埼玉初の市民農園の話がありました。特定農地貸付は、県農林公社が農家から土地を借り、それを民間企業に貸し出す方式。増山さんの活動は、この方式を採用した市民農園として、埼玉県初の事例だそうです。いいアイデアや技術があっても制度や法律が邪魔することがよくあります。増山さん達の活動が実った結果です。これからが楽しみですね。

休憩をはさみ、登壇者を囲んでダイアログを行いました。このイベントはライフスタイルのシフトをテーマとしていますので、実際にそれを実感していただくために、会場であるエコギャラリー新宿の蛍光灯を消して、ゆらぐLEDランプを囲みながら、ライフスタイルのシフトについて対話(ダイアローグ)を行いました。

20分間の短い対話でしたが、参加された方々がゆらぐLEDランプを囲みながら話し合われた対話の結果(ハーベスト)は以下のとおりです。

・楽しんでできるエコな生活を見つけることが大事

・楽しんでできるエコなことが知られていない。まず知ること。そして改善

・電力の見える化に「いいね!」をつけたい。家電でも導入して欲しい。

・新しいもの(技術)と古いもの(文化や習慣)の融合が面白い。楽しくエコができる。

・バイオディーゼル燃料は、コストが高いがまちづくりと一緒にあわせて行うことで普及できないだろうか?

・油をどうやって集めるか?が問題だが、ペットボトルや他の資源と集めるとか集める楽しさが実感出来る方法を考えたい。

・街灯でエネルギーを使っているのは、家庭でエネルギーを使っているのと同じイメージを持つことができた。まず市民が知ることが大事。

・気軽にできる農業体験があるといい。

・若い人達はもっとしっかりして!明るさの認識。過剰な公共サービス。子どもに引き継げる社会を!

リオ+20国内準備委員会共同議長 崎田裕子さんの講義やイベントの成果などについては、パート2でご報告いたします。(パート2に続く)