2011年7月14日木曜日

【7.22】「持続可能な社会デザイン-地域の活動から考えるこれからの社会とは-」3・11後の社会づくりプログラムの開催(ご案内)

「持続可能な社会デザイン」

~地域の活動から考えるこれからの社会とは~

◆日時:7月22日(金) 午後6時30分から午後8時45分
◆場所:新宿都庁周辺(未定)
◆講師:鈴木 泰 氏
    東京都産業労働局商工部創業支援課創業支援係 係長(八王子市から都へ派遣)

◆講師のプロフィール:
八王子市職員。八王子市で10年以上地域の産業振興を務められていきました。現在は、八王子市から東京都へ派遣され東京都の中小企業の創業支援を行われています。八王子市では、自ら現場に足を運び地元の多くの企業経営者との信頼を築きながら産業振興に尽力されてきました。企業経営者だけでなく商工会や金融機関、大学や市民活動などとネットワーク、プラットフォームを作られて八王子独自の産業振興や地域の活性化を推進されています。ご自身を「八王子の土人」と称し独自の歴史観や

また、一方で10年以上前から市の職員やNPO、地域の有志など多くの人達と持続可能なまちづくりとはどのようなものか考え活動されています。市の職員という枠を外し、市民活動にも参加し、市民としてまちづくりにも関わっています。

今まで携わってこられた地域の活動から震災以降の社会づくりについてお話ししてもらおうと思っています。
◆内容:
・オープニング、案内5分
・参加者による「あなたの問題意識と解決策」の発表 5分
・講義「持続可能な社会デザイン」約60分 質疑10分
・ダイアログ20分×2回
・ダイアログの共有20分
・次回の案内(現場見学案 八王子市民活動支援センター、八王子福祉園※)

※八王子市民協働事業 (八王子福祉園が事務局を担当)
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/029/106/odanochuoukouen3.pdf

◆参加費:200円(資料代など、交流会は別途3000円以下)

◆事前準備:

・日本の社会づくりのあなたの問題意識(問題点)と解決策を考えてきてください。
・地域にある市民協働の事例を調べてきてください。
(事前に調べていただいたものをT2Sメーリングリストなどで供給させていただくこともできます。)

◆講義の要旨: 
※時間に制約があるため、途中で終了し次回のイベントで続きを行う場合もあります。

1 新しい公共
・何でも知っているけれど何もやらない役人VS何も知らないけどなんでもやろうとする市民
・市民参加は面倒か?(情報とプロセスの共有は事業を加速する)
・企業市民(富を生み出すもの)
・中小企業(地域との運命共同体、実は効率の良い中小企業)
・価値が生まれる瞬間

2 まちづくり
・生きるための町おこしから死ぬための地域づくりへ
・新潟県で起こったこと
 道路から雪がなくなること
 上越新幹線
 軽井沢、柏崎、夕張

3 地方分権と地方分散
・地域の多様性が創ってきた日本文化
・地方が枯れる(人材、財政、企業)
・部分最適から全体最適にならない事例
・最後部から

4 産業空洞化
・日本の港湾の地位の低下
・グローバル化と国、地域
・GDPは神話か

5 高齢社会
・壮健社会から高齢社会へ
・豊かなシニア社会の絵を描く
・共同体の再構築
・若い世代の不安を取り除くこと

6 持続可能な社会
・イノベーション、動的平衡の概念(持続するために変えていく)
・多様性
・固有の持続可能性を持った地域の積み重ね
・グローバル化する産業と地域をつなぐ仕組みが必要
・最小単位としての基礎自治体とネットワーク

◆プログラムスタッフ等の募集:
 このイベントや現地見学など一連のプログラムのスタッフ、ダイアログのファシリテーター、このプログラムを応援してくれる応援団を募集しています。今までの経験などは不問です。やる気のある方、この機会を経験にキャリアを積みたいとお考えの方、事務局までご連絡ください。

1 プログラム運営、企画スタッフ(会場設営、集金、受付、講師との調整、現場見学の調整など)
2 ファシリテータ(ダイアログファシリテート、参加者のエンパワーメントなど)
3 応援団(プログラム・イベントの周知、イベントの積極的参加など)

◆プログラム事務局:
TokyoThinkSustainability 漆原隆浩sweetairg@gmail.com

2011年7月10日日曜日

【ご報告】東日本大震災 震災支援報告会&意見交換会開催レポート

《はじめに》

 3月11日に起きた東日本大震災は、被災地である東日本だけでなく日本社会、世界に及び大きな影響を与えた災害だと言えます。


大震災から3ヶ月が経過し、私たちは、それぞれ違う立場で行なってきた災害支援の活動をとおし、この震災への対応から、本当に必要な支援は何だったのか考える場を設け、震災支援報告と意見交換を行いました。

 はじめに漆原が、東日本大震災の規模とボランティア活動の人数推移などから被災状況行われた災害支援について現状の確認を行いました。

 次に、参加者の方々との情報の供給と活発な対話、議論が行われるように、実際に災害支援活動を行ったT2Sの庄司さん、ココハナprojectの石田さん、T2Sの平松さんから報告を行ってもらいました。

《T2S庄司さん南相馬支援レポート》

 庄司さんは、震災直後、原発事故が収束をしていない中の南相馬市で行ったボランティア活動について、現地で撮影した写真を元に報告を行いました。庄司さんは、寄付や募金以外に自分の目で被災地の状況を確認し、何が出来るか?という思いがきっかけとなり、ボランティアに参加しました。現地の状況の説明の後、「これから何ができるのか?」という彼女からの投げかけがありました。現地で知り合った方々とつながりができ、支援しているとのことです。

◆なちゅらるふぁーむ 『もっけの幸』(南相馬市鹿島地区、小野田さん)
[参考]http://www.mokkeno-saiwai.com/

・お米、いちご、手作りジャム、きなこ、米粉の購入

◆おひさまカフェ のサポート(相馬市 大石ゆいこさん)

相馬・南相馬市内の避難所の方へ、カフェスペースの提供


《ココハナproject石田さん旭市支援レポート》
 石田さんを中心にプロボノとして活動してきたココハナproject。代表の石田さんにお出でいただき活動の報告を行ってもらいました。石田さんと私はNissanLPIEというリーダーシッププログラムで知り合い、今回の震災を期に何かできないかということを連絡しあっていました。ココハナprojectは石田さんのアイデア、発想でいい思い出やこころの支援を被災地の方々へ行いたいということで、NissanLPIEのメンバーを中心として起こしたプロボノによるprojectです。

[参考]http://koko-hana.com/archives/category/home

ココハナとは・・・・被災者の心を華やかに

          ・ここ(被災地)に花を届けて
          ・できる人、個々が花を送ろう

                             であること。

を活動コンセプトとして

「被災された子供や地域に対して、できる限り地元の事業従事者を通じて、花を届ける」

「当たり前のことを生活の中に取り戻す一助となることで、地元経済の活性化を促すことを行動指針とする」

 ということが石田さんの被災された方々への真摯な姿勢を感じさせる語り口で説明された。参加者も引き込まれるように聞き入っていました。

 ココハナprojectの第一弾の活動である旭市飯岡地区への小学校入学式への花の贈呈の様子や、第二弾である香取市佐原地区おかみさん会との交流などの活動の報告がありました。

また、プロボノによる被災支援としてメンバー間のフェイスブックでの議論、情報交換や、それぞれメンバーの得意分野を活かした役割分担などの状況の説明。

(活動の状況は千葉県のHPでも掲載されています。)

http://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/miryoku/ganbaro/kekka/kekka007.html


 最後に、T2S平松さんから、ご自身の災害支援の体験について報告がありました。自治体による被災地支援の状況と、それに従事した職員の目線による報告がされました。

 3名の支援活動を行なってきた方々の報告の後、その報告者がファシリテーターとなり、参加者とダイアログを2回行いました。各グループ被災支援について掘り下げた対話が行われました。各グループの対話の結果は以下のとおりです。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 
《1ステージ》

[Aグループ]

・何かしたいが何ができるのか、迷惑にならないか心配だった。
・実践しているものや、取材内容を話してもらい、被災地や被災者を一元的に語ることはできず、復興に向けて様々なステージにいることを共有した。
・その上で、まずできることをする、それは全ての人に当てはまらないが、必要としている人が必ずいるからという結論となった。

[Bグループ]

・ボランティア、コーディネーターを育成する場が必要である。
・コーディネーターを行政の中から誕生させることはできないか?
・47都道府県で広域事務連合を結成させて、そこで育成する。

[Cグループ]

・被災地の地域コミュニティにいかに溶け込むかが、実は隠れた課題。
・仕事だと支援内容がドライになりがち。
・ただ、逆を言うと、仕事だからこそシステマチックに、持続的に支援が出来る。
・今はとにかく支援をする段階だが、時期が来たら、被災自治体が自ら復興の方向性を示せるような環境作りが求められるだろう。

《2ステージ》

[Aグループ]

・定期派遣は、都庁からの派遣は決まったことしかできず、やるせない。
・支援が有限であることから復興のビジョンが必要で、地元自治体に考えてもらいたい。
・都の支援では、ビジョンを考える体制作りも含めるべき、また派遣職員は、現地でも自治体職員にそのような意識をもつこと、一緒に議論することが業務に縛られない支援となりうると考えた。

[Bグループ]

・仕事として被災地に行った感想だが、罹災発行システムを市町村で統一すべき。
・各被災地で、サポートする側の”なわばり”が出来てしまっていて仕事がしづらかった。
・国からのお達しと現場とのギャップが多い。
・一人ひとりの職員の、仕事に対する意識の差がありすぎる。
・やる気のある人は、仕事で行ってもやることが無くなれば自分で仕事を作るが、必ずしも皆がそうとは限らない。

[Cグループ]

・個人として出来ることはなんでもやる。
・普通の生活を送ることそのものも、経済システムから考えると復興の一助。
・普通の生活をしながら、復興支援の一助となる活動をすることが、最もサスティナブル(単発的、散発的な支援よりも重要)。そのためには日々の買い物を工夫する。
・「官としても、民としても」という姿勢とともに、時には「官だが、民として」も重要な態度。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

ダイアログ終了後、ダイアログの結果をシェアしイベントを終了しました。

イベント終了後も名刺交換や意見交換が行われその勢いで、別会場の交流会へと流れてお酒を飲んでリラックスした雰囲気で交流を行いました。

《このイベントを通して》

ダイアログを通じて、このような深刻な被害をだした大災害で、市民が何かやりたくてもためらってしまっているということを感じました。被害が深刻だから行動できない。不謹慎ではないか?迷惑ではないか?そんなことをして役にたつのだろうか?今回の参加者は都庁をはじめ官公庁の職員の方々が多かったのですが、このような傾向は組織の中ではもっと強いように感じました。組織の意向と役に立ちたいと思う職員とのギャップをどう考えるのか?そういったことが対話の中で深まってきたと思います。

ダイアログの中でもコメントがありましたが、普段から地域に出た活動や社会的な行動を行うことがこのような危機的な状況においても有効な対応ができると考えます。

また、様々な支援がある中で、義援金や寄付ということだけでなく被災された方々との交流を深めていく支援が、被災された方々や支援をする側にとっても有益なのではないかと思いました。様々な支援の情報がある中で、支援のあり方から普段の仕事、生活のあり方まで参加された方々に考えていただけたのではないかと思っています。

次回のイベントは、こう言ったことも踏まえて、市民活動が創っていく社会デザインについて、現場見学や現地の方々との交流も踏まえたプログラムとして行って行く予定です。政治不信、進まない震災復興、放射能汚染の問題、エネルギー政策など今の日本の社会に市民は大きな不安と失望感をいだいていると思います。震災復興を踏まえてこれからの社会をどのように創っていくのか?という問に対して、政治や今までのリーダーだけに任せるのではなく、市民の活動から社会を変えていくことも大きく期待されることと思います。

 次回のイベントについては後ほど募集の案内をさせていただきます。今、どのように考え行動していくのか考えている方、どうぞご期待ください。



レポート:漆原隆浩

2011年6月12日日曜日

【告知】東日本大震災 震災支援報告会&意見交換会のご案内 (6.17)

東日本大震災 震災支援報告会&意見交換会
「仕事、ボランティア、プロボノ活動で感じ、わかったこれからの支援」

東日本大震災が発生して3ヶ月が経ちました。この震災をとおして、災害に対する人間の無力さやエネルギーに過度に依存した社会への見直しの他に、人の絆や被災地、被災者に対する支援のあり方などが活発に議論されています。今回の震災では、被災地の範囲の広さやによる災害支援の多様化だけでなく、仕事、ボランティア、寄付、SNS、ブロボノ活動など様々な形態での支援活動が行われました。この度、それぞれの被災地での行なってきた様々な活動をとおして感じたこと、経験したこと、考えたことを共有し、今後の被災地支援について考える場を設けました。

 なお、支援活動に参加していない方もこのイベントに参加できます。特に、報告のあるココハナprojectは関東で被災地の方々と交流を持ちながら気軽に支援ができるものです。今まで支援活動に参加できなかった方で何かに関わっていきたいと思っている方は是非参加してみてください。
1 日時  平成23年6月17日(金)午後6時30分から午後8時30分まで

2 テーマ 「仕事、ボランティア、プロボノ活動で感じ、わかったこれからの支援」

3 内容

 ◆報告内容

   ボランティア活動の報告(南相馬市、石巻市)

 プロボノ活動 ココハナproject(旭市、佐原市)

 http://koko-hana.com/archives/category/home

 ◆報告者を囲んでダイアログ(意見交換)

 ◆ダイアログの共有、これからの支援とは?

4 会場 都庁第二庁舎10階201会議室

5 費用  100円

6 申込み http://kokucheese.com/event/index/12707/

宜しくお願いします。

2011年5月28日土曜日

6.25【震災チャリティー ご近所さん祭りin江戸川】「地域¬のみんなで地球を守ろう!」に登壇!

震災の被害の復旧や電力不足による節電、省エネ対応の関係でプロボノ活動を休止していましたが、徐々に活動を再開していきたいと考えています。


ホリスティック・リーディング研究所・代表の神尾学さんからの依頼で6月25日江戸川で行われるイベントに登壇することとなりました。 (詳細、申込み等は下記アドレスからお願いします。)

http://ameblo.jp/edohappy/

なお、以前は、地球サミット2012Japan準備事務局でしたが、今月24日に準備事務局が取れて、任意団体として動き出しました。

私のタスクは、地域、市民、企業等でアクションを起こしていくことと考えています。なので、私がこのイベントでお話しする内容は、「地球サミットと江戸川という地域がどのような関係があるのか?」ということです。

地球サミット(グローバル)と江戸川(ローカル)をどう結びつけるのか?

地域と地球という関係は、私のとても重要なテーマの一つです。地域での地に足のついた活動が重要ですが、それがなぜリオで行われる地球サミットと関係があるのか?地域での活動は、とても小さく、距離感を感じ出しまうのではないかと思います。

そういったなかで、「我々はどう考えていくのか?」ということを参加される皆さんに共感いただけるようまとめたいです。

地球サミット2012JP代表(金融庁)の佐藤さんが、全体のことを話すと思います。

地方公務員である私は、地域のことを話す。まさに本職が反映されているような感じです。

ご興味のある方は、どうぞご参加ください。

漆原隆浩

2011年4月12日火曜日

今回の震災で被災された皆様へ

2011年3月11日午後2時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震により被災された皆様、そのご家族の方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。


TokyoThinkSustainabilityは、被災された方や災害地への支援、計画停電への対応など、この度の災害に関わる社会的な活動に注力していきます。

私は、震災発生直後から自分の職務である東京の被害状況の確認と復旧、また計画停電への対応などを行って来ました。またT2Sの多くのメンバーが、自分の持ち場でやるべきことをしっかりとやることに注力してきましたが、それらの対応がある程度落ち着いたため、近日中に災害支援の緊急ミーティングを行いT2Sの活動を再開いたします。

T2S代表 漆原隆浩

2011年4月6日水曜日

【ご報告】T2S緊急プロジェクト第1弾「救援物資仕分けボランティア」は中止―空振りを次に活かす決意。

3.11.

日本のみならず、世界が揺れた衝撃の震災。観測史上最高のマグニチュード9.0を記録した未曾有の国難。今回の東日本大震災を受け、社会人有志でも何かできることはないかと考え、T2Sでも緊急プロジェクト「今、東京で私たちにできること」をつくり、その第1弾として、東京都が主催していた「救援物資ボランティア」に参加することを企画しておりました。


これは、日頃から東京を拠点に活動しているT2Sが、「東京で出来ること、東京が出来ること。」をモットーに、多くの人とこの千年に一度の未曾有の国難について考え、行動し、次の千年にわたって持続可能な社会であるために、私たちに出来ることを考えること企画・構想です。

早くから多くのNPOが現地入りしています。かかる専門性を携えて素早く被災地で活躍している彼らの姿には感服するばかりです。ひるがえって、社会人有志が集うT2Sに出来ることは何か。メンバーの多くが首都圏を中心とした公務員や企業のビジネスマンであるT2Sは、果敢に現地入りする専門性と機動性に溢れたNPOや市民団体をむしろバックアップする体制として、首都機能を止めない観点から本来業務を重視しつつ、仕事としてだけでなく、一市民としても出来ることを考えていました。

その第1弾として、まずはアクション。平成23年3月26日(土)、27日(日)に都庁第2庁舎で予定されていた救援物資仕分けボランティアに皆で参加しようと、T2Sメンバーが集まりました。メーリングリストで集まったメンバーは、仕事ではなく、一市民としてボランティアに参加する意を表明してくれました。

しかし、救援物資仕分けボランティアは、当日になって急遽中止となりました。T2Sとしてではなく、主催者の判断で、「仕分け」作業の応募そのものを中止するとの連絡がありました。

実は、先立つ救援物資の「受付」も、都民をはじめ多くの方からの善意により、救援物資が集まり過ぎたこともあり中止されました。物資の「受付」を締め切った状態で、集まり過ぎた物資を「仕分け」るボランティアを募集していた状況がしばらく続いていたのですが、それも中止となった格好。当日、仕分け会場に集まったT2Sメンバーとしては「空振り」に終わった体が否めませんでした。参加に前向きだったメンバーは、皆本当に残念そうでした。

しかし、これはプロジェクト第1弾としては、むしろ成功だったのではないか、と捉えています。「救援物資仕分けボランティア」企画そのものは流れてしまいましたが、 今回の中止は、東京に住む人々の「私にも何かできることは。」と模索した結果が、このような形で多くの義援の思いが集まったと解釈しています。その意味で、当初の目的は別の形で達成されたのではないでしょうか。今回の震災で何かに気付き、行動を起こした人達が多く存在した現れの一つ。 1300万の善意の念を、痛いほど胸に感じました。都民をはじめ多くの皆様の義援の念に、改めて敬服です。
しかし、今回のことを踏まえた課題もあります。例えば、今回のように「被災地のために、何かしたい」と思っている人達が、特定のボランティアについて予想以上に集まり過ぎてしまった場合のことです(ボランティア要員の過剰供給)の問題。今回のように、「何かしたい」と思っている人達が多く存在することは、本当に素晴らしいことです。しかし、そのせっかくの「何かしたい」という思いを持った人々が、今回のように会場に足を運んだら中止になってしまっていた。ここで、この「何か」を、例えば今回の仕分けボランティア以外に向けられたら(効率的な分配の問題)。そのためのコーディネーターが存在したら(マーケットの調整機能の問題)。事前にもっと多くのボランティア情報があり、意欲的な思いの強い人達が取捨選択できたら(情報の非対称性の問題)。今回の「空振り」を受けて、今後に活かすべき反省点を多く発見できました。

また同時に、「ちょっとの情報、ちょっとの行動」だけだとしても、「何かしたい」人達の背中を押してくれる充分なサポートになったということも、大きな成果でした。

まずは、アクション。これからもT2Sは、被災地のために何が出来るかを考えていきたいと思います。

T2S広報・平松

2011年3月5日土曜日

【報告】オーガニックフェスタのトークイベントに登壇!だいちのわ2011・大地を守る東京集会

平成23年2月27日、T2Sは地球サミット2012Japan(※)で提案した「トレタテ江戸前食材プロジェクト」(※)のキックオフ・イベントとして、大地を守る会主催「だいちのわ2011・大地を守る東京集会」(オーガニックフェスタ)に参加し、そこで開催されたトークイベントにT2S代表・漆原さんが登壇しました。


大地を守る東京集会は、1978年から始まった生産者と消費者の交流イベント。会場ではマルシェにカフェに映像祭、子供向けワークショップや「餅つき・ながーい海苔巻き」体験、園芸福祉セミナー、就農相談など、様々な企画が目白押し。その中の一環のトークステージイベント「農業ってカッコイイよね」にて、NPO法人「農業のこせがれネットワーク」のいわて山形村短角牛・柿木畜産の柿木さん(写真左)と(株)みやじ豚の宮治さん(写真中央、NPO代表理事CEO)達と一緒に、T2S代表の漆原さんが登壇しました。


会場は、大田産業プラザPio。私・平松の地元ということもあって、個人的には張りきって会場入り。開場前から長蛇の列が出来るほど、盛り上がっていたイベントでした。

本番前のトークステージ打ち合わせ現場に私も潜入(写真左)。T2Sが進めている「トレタテ江戸前食材プロジェクト」について、限られた時間でどのようなことを伝え、何を感じてもらうか。終始なごやかな雰囲気の中、こせがれネットワークの皆さんと大地を守る会さん達と一緒に、綿密な最終打ち合わせをしました。


いよいよイベントが始まりました。T2Sが登壇した「農業ってカッコヨイよね」の前段は、J-WAVE「LOHAS SUNDAY」のラジオ公開収録カフェトーク! パーソナリティの丹羽順子さんによる軽快なトークで盛り上がるギャラリーを前に、我々のステージが始まりました。


こせがれネットワークのお二人のトークは、まさに「農業ってカッコイイ!!」と思えるものでした。

柿木さんは、農業と我々消費者との関係について「お金の使い方」をキーワードに話されておりました。「人間、すぐにでも変えられるのは、お金の使い方だと思うんですよ。毎日のお金の使い方を少し変えるだけで、農業にインパクトを与えられる。一年間で一回でもいいので、自信作の短角牛を買って食べてみてください」という趣旨のお話をされていました。

また、宮治さんは、都会で暮らす農家の息子達(こせがれ)を集めて「こせがれネットワーク」を立ち上げた経緯について「社会に対して何かしたい、と思っている人は、別に大きな事をしようと思わなくていい。楽しく、ちょっとでもできることを、すぐにやる。僕たちはそういうことをやっている」という趣旨のお話をされていました。


いよいよT2S漆原さんのトーク。漆原さんは、「トレタテ江戸前プロジェクト」を構想したことについて「我々は、農業については素人です。しかし、食べることについてはプロだと思っている。我々消費者は、毎日食べなければ生きていけない。食べることに対しては少なくともプロだと思っているんです。消費者としての立場で、もっと出来ることがあるのではないか。そう思って立ち上げたのが、このプロジェクトなんです」。

地球の裏側で採れた野菜を、新鮮さを失った段階で口にする毎日の都市の生活をどうにかしたい。農業白熱教室の話も含めて、話は多方面に展開されました。

会場は大いに盛り上がったまま、トークステージは終了。「トレタテ江戸前プロジェクト」は、大きく進み出しました!皆さん、今後もT2Sおよび本プロジェクトを宜しくお願いします!

レポート:T2S広報担当

(参考)
※地球サミット2012Japan…2012年にブラジルのリオで開催される地球サミット(Rio+20)に向けた、官民の有志によるプラットフォーム。若手官僚、放送作家、大学教授、若手社会人、NPOと多くのプロボノ達がつながるネットワーク(http://earthsummit2012.jp/home.html)。
※トレタテ江戸前食材プロジェクト…昨年8月、立教大学で開催された地球サミット2012プロジェクトの1回準備ダイアログにおいて、T2Sの平松が提案したサスティナ・プロジェクト。当日の様子とプレゼンの内容が分かる動画はこちらから⇒(http://earthsummit2012.jp/events_info_100829.html)一番下の動画の32分時点頃。

2011年2月25日金曜日

【情報共有】1.18白熱「無縁」教室・議事録レポート!

去る平成23年1月18日、都庁会議室にてT2S×NHK「日本の、これから」座談会〈無縁社会〉参加報告会-都庁版・白熱教室のスタッフによるスピンオフ企画第2弾が開催されました。 今回は、当日の様子をお伝えするとともに、次回無縁社会企画第2弾に向けて、白熱した第1弾の議論の内容を、皆さんとシェアしたいと思います。

当日会場の様子

右:司会進行・塗田
左:議事録・島田
この企画は、 昨年秋にサンデル講義の報告会を行った「都庁版・白熱教室」のスタッフ・T2S漆原と平松が、今度はNHKの市民参加型討論番組「日本の、これから」の座談会に参加したことがきっかけでした。昨年夏、東京大学で開かれた白熱教室in Japan でサンデル教授から「宿題」として出されたものの、実現しなかったテーマこそが「無縁社会」。その後、この問題は国内で大きく取り上げられ、NHK「日本の、これから」の討論テーマにもなり、その番組の座談会に出席した経験を広く共有するため、開かれました。


当日の司会進行を務めたのは、本企画の連絡調整も担当したT2S塗田さん。司会の開会によって、白熱「無縁」教室は始まりました。

第1部は、実際にNHK「日本の、これから」番組座談会に参加したT2S広報の平松が、渋谷のNHKスタジオでの白熱議論の体験を報告。無縁社会と自身との関わりについて、自らの経験談とともにプレゼンしました。

平松プレゼン:無縁社会と無縁なのか。
 「自分が無縁社会に生きているなんて、最初は想像もしていなかった。地元で生まれ地元に育ち、地元を職場としている自分に、そんな実感はなかった。」「しかし、自分の身近(地元)に起きた2つの事件をきっかけに、無縁社会について考えるようになった。」「誰もが、無縁社会と無縁ではない。少なくとも、疎遠社会を生きている。無縁社会が迫っている。今では、そう考えるようになった」(発言録より)。

無縁社会について何か行動を起こすという議論には、「官か民か」という議論ではなく「官も民も」「官としても、民としても」(誰もが出来ることをやる)というスタンスが必要であることを述べました。
第2部は、T2S代表・漆原がファシリテーターを務める「都庁版・白熱教室@無縁社会」。無縁社会について参加者と「対話」を通じて、理解を深めていきました。



<以下、第2部議事録>


第二部は、まず参加者を4グループに分け、1人につき30秒間、「自己紹介」「無縁社会との関わり」「無縁社会を変えていくために自分ができること」を話し合いました。そのうえで、各グループの代表がグループ内に出た意見を発表しました。


グループ1(構成員は大学生3分の1、会社員、教育者):

「縁の薄れをいろいろな場面で感じていて、何かしらの縁を私たちは求めている。また、縁の種類で言うと、血縁<社縁、社縁<また別の縁となっている。」

グループ2(構成員はほとんど公務員):

「無縁社会とは無縁ではないというのがグループ内の共通認識で、それが土台となっていました。また、ネットワークがキーワードにもなりました。」

グループ3:

「無縁社会とは無縁ではないとう考えが挙がりました。また、血縁は維持されているが地縁が薄れているという意見も出ました。」

グループ4:

「自分は無縁ではない、という点がメンバーの共通認識でした。特定の弱者が無縁になるのではないでしょうか。」



各グループでのブレストができたところで、都庁版・白熱教室のスタートです!

《以下、白熱教室》



漆原:


ファシリテータ-を務めるT2S漆原(右)と平松

無縁社会って何なんでしょうか。今日は、このテーマについては話しあって、できれば1カ月後に2回目を開催して今回の議論、対話の中から私たちが実際に何ができるのかを一歩踏み出してみたいと思っています。

NHKの座談会の中ではこうすべきを議論しましたが、私たちは、無縁社会について議論し、考えを共有し、さらに先へと進んでいきたいと思っています。


現代は、自由、平等、経済的豊かさという、人類が求めていたものを得られている時代になりました。なのに、無縁社会になってしまったのでしょうか?そして、無縁社会とは何なのか、全体で話をしていきたいと思います。」

では、そもそも縁とは一体何なのか。「これ何かの縁」のときは「運命」的なニュアンスだし、「縁起が悪い」の「縁」は仏教からきています。

サラリーマンは、社縁を大事にして、会社のために働いてきました。しかし、終身雇用制度が失われて、成果主義が台頭すると、会社にはサラリーマンの居場所がなくなります。そこで家に帰ってみると家庭でも居場所が無いってことになります。

先日、サンデーモーニングで倉本聰さんがある映画について言及していました。その映画の中では、現代を目の当たりにした帰還兵が「俺たちは何のために戦ってきたんだ」と叫んでいました。倉本氏は、人間はもはや「ホモサピエンス(賢い)」ではなく、「ホモサスペンス(不可解)」であるのです。

また新渡戸稲造の武士道の精神では、「思いやりと自己犠牲の追求」であるといっています。

そもそも自己犠牲とはなんでしょうか?犬は、社会性のある動物と言われます。私事にはなりますが、先日、庭にいる犬に餌をあげていたら、どこからともなく子犬がやってきてその餌を食べてしまいました。でも、私の犬は全然怒りません。そんなことが2回も続きました。つまり、私の犬は子犬に餌を食べさせていたのです。私の犬はオスなので、その行為は母性とは関係ありません。弱者に対しては施しを与え、自分は我慢するという行為は社会性をもった動物の遺伝子ではないでしょうか。

また、スティーブンスピルバーグの映画 「A.I」の中には主人公に尽くすことで満足感を得るロボットが登場します。このように他人との関係性の中に満足感を得ることが人間の本質ではないでしょうか。」

では、つながりを持つということは何でしょうか。無縁社会とは一体何でしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。

男性:

「無縁社会はありえません。つながりが極端に薄くなって、物理的な縁以上のレベルに到達しないのが無縁社会と言われているのです。現代は豊かさが達成されて人々は強く繋がる必要がなくなったのです。」

漆原:

「いま世の中に300万人いるといわれている引きこもり、不登校はどうでしょうか。また、実際に孤独死もあるわけです。」

男性:

「縁を意識的に拒否したのが引きこもりです。しかし、現代社会はそれでも生きていくことができる。引きこもりはこれまでの人間性を否定し、縁を意識したくないという思いの表れです。これまでの社会は縁を持たないと生きていけなかった。しかし、現代社会は縁なしでも生きていける。逆に、煩わしくさえもある。引きこもりは、縁と程々に付き合えないので、見えないネットワークの中で生きていくことで自分の世界を創り上げているのです。」

男性:

「情報過剰な社会で人の心は疲れている。その結果、私たちは周りに関心を持てないでいるのです。」

男性:

「『空気と戦争』に書かれていたが、日本には社会がなくて世間があった。世間では人々は同じ時間を過ごさないといけなかった。また、経済的にも世間に属さないと生きていけなかった。しかし、自由を求めて経済的な豊さを達成すると、周りにはだれもいないという状況になっていた。

また、引きこもりや今の若者は友達をご飯にも誘えない。それは、いくら自分が寂しくても誘った結果、断られるのが怖いからである。そういう考え過ぎるとことがある。

男性:

「昔は、情報を得るために縁が必要であった。しかし、現代では家にいながら様々な情報にアクセスできる。人とインターネットを天秤にかけた場合、インターネットの方が簡単に関係を断ち切れる。」

女性:

「『人間の器量』の中で「日本人はなぜ小粒になったか」という問いに対して、著者はその答えを「それは人を育てなくなった」としている。仕事においても、上司は誰にでもできる表面的なことは教えるが、心の内面にまで踏み込んでいかない。また、出世欲のある人は上ばかり目指し、下を見ない。だから、自分にとって有益な縁は大事にするが、無益な縁は大事にしない。」

漆原:

「縁が面倒くさいという意見が出ました。また、ネットがあるのだから、そもそも縁はいらないのではないか、という意見も出ました。縁って一体何なのでしょうか。情報を得るための縁、自らのパフォーマンスのための縁という考えを含めて縁とは何かについて考えたいと思います。」
男性:

「縁とは道楽ではなくて、生きるために必要なものである。その昔、人は農業、狩猟を一人ではできなかった。しかし、今はそんなことはない。その結果、縁は道楽に切り替わった。この中で近所の回覧版の名前を全員言える人はいますか。
(全員知っている人はいなかった)

当時は、ほとんどの人が全員言えました。しかし、今はその逆でほとんどの人が言えなくなっている。無縁社会において過去と大きく違うのは近所付き合いです。では、なぜこんなに近所付き合いが変わったかというと、それは必要がないからです。」

男性:

「ここに集まっている人々は無縁社会でも困らないが、ただそれが好ましく思っていない人々である。かつては、学校という情報を得るために、小学生を家庭にもつ人々はつながっていた。ただ、現代は自分にとって都合がいいかどうかでコミュニティを使い分けている。子どもたちも公立に入ったり、私立に入ったりしているため、バラバラになりそこからネットワークをつなぐのも大変である。たとえ同じ地域であってもつながりがなければ無縁社会である。」
男性:
「自分にとって都合のいいものが縁だとは思いたくない。人は好き嫌いに関係なくコミュニティの中にいる。誰かが困っているから助ける。それがコミュニティである。コミュニティを利益・不利益で考えるから無縁社会という言葉がでてくるのだ。この地球に生きている皆同士に縁がある。地球の裏側にいる貧困をどうにかしたいと思うのは何故か。それは、私たちがつながっていて、助けたいと思うからだ。負も正も含めて、縁が必要である。」
漆原:

「しかし、今の社会はそういう風に思えなくなってきたのではないでしょうか」
女性:

「縁とはコミュニケーションです。「縁」という言葉を作った人間が「無縁社会」を作った。現代は情報がたくさんあるので、人との疎通をしなくてもよくなった社会である。」

漆原:
「メールとか、昔の人と比べると、めちゃくちゃコミュニケーションしてますよね。」
女性:
「でもそこにはface to faceのコミュニケーションがない。また、メールなら何回も書き直せる。」

漆原:

「TwitterやFacebookは流行ってますよね」

女性:

「多くの人は最先端の技術に飛びつく。メディアの作った流れに乗ってしまっているだけではないか?それがいいことかどうかはわからない。」
男性:

「若者はface to faceのコミュニケーションを難しく感じ、恐れている。」

漆原:

「何故でしょうね。若い人の中では、目を合わせられない人が多いんですよ。」

男性:

「自分を否定されるのが、怖いのではないか。」

漆原:
「私は逆で、人と会っていた方が、元気になる。」
男性:

「現代は、自己完結型の人間が多い。ひきこもっていても許す親がいる。昔は電話の方が怖かった(会場笑い)。でも、どんなに嫌なことでも立ち向かっていかなければならなかった。今はみんな軟弱になっている。」

男性:

「若い人は、本当は繋がりたがっているではないか。」
漆原:

「人は無縁社会とは無縁になれない。なぜ、社会はつながりを持とうとしなくなったのか」

男性:

「海外のどの民族でも国でも、社会を構成する上で、縁を持たざるをえない。しかし、アフリカでも情報化社会が押し寄せ、人とのつながりは疎遠になりつつある。マサイ族は携帯を皆持っていて、かつての井戸端会議もなくなりつつある。無縁社会は全世界の普遍的な問題である。では、なぜ日本だけがこの問題をクローズアップしているのか。日本の場合、対立や批判を避け、協調性を図る文化がある。メールやTwitterも何度も書き直しができるため、そこに批判が生まれることは少ない。日本の文化あってこその無縁社会である。」

男性:

「人はなぜつながろうとするのは、本質的な問題で、そこに理由はない。それほど人間にとって当たり前の行動である。心の奥底では人とつながっていたいのに、周りの人に関心が持てない人たちが、メールやTwitterに逃げている。」

漆原:

「ひょっとしたら引きこもりや核家族の人たちもつながりたいと思っているのではないでしょうか?社会とつながる何か良いきっかけはありますか」

男性:

「それは心に関する再教育です。私が子どもの頃、家の近くの見ず知らずの土木作業員が笑顔で私に「いってらっしゃい!」。と言ってくれました。そうすると、私も嬉しくなって「行ってきます」と答えるわけです。こういう嬉しいなって思える心のつながりが縁なのです。毎日立ち寄るコンビニの店員が「今日は暑いですね」って言ってもいいわけなんですが、今の社会にはそれがない。でも、そう言ったやり取りはメールではできません。」
男性:

「「おひとりさま」で死ぬ権利もあるのでは?TVは恐怖感を煽るような報道をしている。理念的な話は生産的ではない。無縁社会は問題かどうか、問題だとしたらどうするのかを話し合っていきたい。」

漆原:

「無縁社会はそもそも問題なのでしょうか。」

男性:

「私は13年間、引きこもりについて取材を重ねてきました。昨年、これからの社会を予見するような事件が発生しました。それは、秋田県で50歳のひきこもりが、30年間引きこもった末に父親に殺された事件です。近所の人も、民生委員の人も引きこもりの存在を知りませんでした。40代以上の地域から孤立した壮年者が世の中にはたくさんいます。今の社会は彼らが一度社会から離脱すると、もう戻れない仕組みになっています。なぜ戻れないかというと、そこに罪悪感があるからです。「怒られるのではないか」「自分が責められるんではないか」「自分は、家の恥なのではないか」と引きこっている人は思うわけです。その結果、ひきこもり当事者も、その家族も、周囲とのつながりが希薄になっていきます。「甘えていいんだよ」「相談していいんだよ」という社会に変えていかなければなりません。」

漆原:

「極端に思えるけど実は意外と多い、このような人たちを何とかしたいですね。生活に困っている人は生活保護の受給資格があるにも関わらず、当人が申請してはいけないのではないかと思っています。だから、どこの誰に申請したらいいかもわからない。でも、なんで人は引きこもるのでしょうか。」

女性:

「私は中学生で引きこもりになってしまった女の子を知っています。この子はしっかりしてる子」と周りから言われて育った子でした。でも、クラス替えで仲の良かった友達と別れて自分を守ってくれる人がいなくなってしまい、次第に孤立していき、ついには引きこもるようになってしまいました。今は、意見のぶつかり合いやケンカしたことない人の方が多い。Yesマンばかりの社会のように思われます。」

漆原:

「スクールカーストはありますね。ここでは上の人には逆らわなく、いい子ちゃんであろうとする。この状況に対して大人は何ができるのか。また、ひきこもりの高齢化も問題です。引きこもりが社会全体に蔓延しています。なぜそういう状況になってしまうのか??

スライド「出来ることから、やってみる」
皆さん、多くの意見をもらっても十分に吐き出せない部分が多いと思います。このままでは終われないと思います。今の無縁社会の問題をどう捉えていくべきか。本日、問題点を皆さんで共有したうえで一か月後に何をもって前に進めるかを考えていきたいと思います。

芥川龍之介の著書に『杜子春』という話がありますね。戦後60年が経ち、豊かさを手に入れた私たちは杜子春のように、大事なものを見失っているのではないでしょうか。私は無縁社会の座談会に出席し、無縁社会とは決して無縁ではない、と気づきました。最近、親にも電話していません。また、このような活動をしているため息子にもなかなか会えてません。無縁社会の当時者としての自分が何をできるのかを考え、私はいまGo-en projectを計画しています。そこで、皆さんにも次回の無縁社会の白熱教室までの無縁社会の当事者として何ができるかを考えてきてほしいと思っています。」

男性:

「漆原さんのまとめの後で恐縮ではございますが、私にも一言言わせてください。確かに、現代は一人でも生きていける世の中です。しかし、縁は大事にしていきたいものです。予測では2030年の男性未婚率は3割、女性未婚率は2割になると言われています。社会が持続可能であるためにはこれではやっていけません。やはり人間あっての社会なのです。Twitterではなく、リアルなつながりをもった社会を目指していかなければならないのです。TBSの報道によると持続可能な社会の先駆けでもあるデンマークではいま無縁社会が深刻化している、とのことでした。」

(ここで時間終了)

議事録レポート:島田一樹