2011年4月12日火曜日

今回の震災で被災された皆様へ

2011年3月11日午後2時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震により被災された皆様、そのご家族の方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。


TokyoThinkSustainabilityは、被災された方や災害地への支援、計画停電への対応など、この度の災害に関わる社会的な活動に注力していきます。

私は、震災発生直後から自分の職務である東京の被害状況の確認と復旧、また計画停電への対応などを行って来ました。またT2Sの多くのメンバーが、自分の持ち場でやるべきことをしっかりとやることに注力してきましたが、それらの対応がある程度落ち着いたため、近日中に災害支援の緊急ミーティングを行いT2Sの活動を再開いたします。

T2S代表 漆原隆浩

2011年4月6日水曜日

【ご報告】T2S緊急プロジェクト第1弾「救援物資仕分けボランティア」は中止―空振りを次に活かす決意。

3.11.

日本のみならず、世界が揺れた衝撃の震災。観測史上最高のマグニチュード9.0を記録した未曾有の国難。今回の東日本大震災を受け、社会人有志でも何かできることはないかと考え、T2Sでも緊急プロジェクト「今、東京で私たちにできること」をつくり、その第1弾として、東京都が主催していた「救援物資ボランティア」に参加することを企画しておりました。


これは、日頃から東京を拠点に活動しているT2Sが、「東京で出来ること、東京が出来ること。」をモットーに、多くの人とこの千年に一度の未曾有の国難について考え、行動し、次の千年にわたって持続可能な社会であるために、私たちに出来ることを考えること企画・構想です。

早くから多くのNPOが現地入りしています。かかる専門性を携えて素早く被災地で活躍している彼らの姿には感服するばかりです。ひるがえって、社会人有志が集うT2Sに出来ることは何か。メンバーの多くが首都圏を中心とした公務員や企業のビジネスマンであるT2Sは、果敢に現地入りする専門性と機動性に溢れたNPOや市民団体をむしろバックアップする体制として、首都機能を止めない観点から本来業務を重視しつつ、仕事としてだけでなく、一市民としても出来ることを考えていました。

その第1弾として、まずはアクション。平成23年3月26日(土)、27日(日)に都庁第2庁舎で予定されていた救援物資仕分けボランティアに皆で参加しようと、T2Sメンバーが集まりました。メーリングリストで集まったメンバーは、仕事ではなく、一市民としてボランティアに参加する意を表明してくれました。

しかし、救援物資仕分けボランティアは、当日になって急遽中止となりました。T2Sとしてではなく、主催者の判断で、「仕分け」作業の応募そのものを中止するとの連絡がありました。

実は、先立つ救援物資の「受付」も、都民をはじめ多くの方からの善意により、救援物資が集まり過ぎたこともあり中止されました。物資の「受付」を締め切った状態で、集まり過ぎた物資を「仕分け」るボランティアを募集していた状況がしばらく続いていたのですが、それも中止となった格好。当日、仕分け会場に集まったT2Sメンバーとしては「空振り」に終わった体が否めませんでした。参加に前向きだったメンバーは、皆本当に残念そうでした。

しかし、これはプロジェクト第1弾としては、むしろ成功だったのではないか、と捉えています。「救援物資仕分けボランティア」企画そのものは流れてしまいましたが、 今回の中止は、東京に住む人々の「私にも何かできることは。」と模索した結果が、このような形で多くの義援の思いが集まったと解釈しています。その意味で、当初の目的は別の形で達成されたのではないでしょうか。今回の震災で何かに気付き、行動を起こした人達が多く存在した現れの一つ。 1300万の善意の念を、痛いほど胸に感じました。都民をはじめ多くの皆様の義援の念に、改めて敬服です。
しかし、今回のことを踏まえた課題もあります。例えば、今回のように「被災地のために、何かしたい」と思っている人達が、特定のボランティアについて予想以上に集まり過ぎてしまった場合のことです(ボランティア要員の過剰供給)の問題。今回のように、「何かしたい」と思っている人達が多く存在することは、本当に素晴らしいことです。しかし、そのせっかくの「何かしたい」という思いを持った人々が、今回のように会場に足を運んだら中止になってしまっていた。ここで、この「何か」を、例えば今回の仕分けボランティア以外に向けられたら(効率的な分配の問題)。そのためのコーディネーターが存在したら(マーケットの調整機能の問題)。事前にもっと多くのボランティア情報があり、意欲的な思いの強い人達が取捨選択できたら(情報の非対称性の問題)。今回の「空振り」を受けて、今後に活かすべき反省点を多く発見できました。

また同時に、「ちょっとの情報、ちょっとの行動」だけだとしても、「何かしたい」人達の背中を押してくれる充分なサポートになったということも、大きな成果でした。

まずは、アクション。これからもT2Sは、被災地のために何が出来るかを考えていきたいと思います。

T2S広報・平松

2011年3月5日土曜日

【報告】オーガニックフェスタのトークイベントに登壇!だいちのわ2011・大地を守る東京集会

平成23年2月27日、T2Sは地球サミット2012Japan(※)で提案した「トレタテ江戸前食材プロジェクト」(※)のキックオフ・イベントとして、大地を守る会主催「だいちのわ2011・大地を守る東京集会」(オーガニックフェスタ)に参加し、そこで開催されたトークイベントにT2S代表・漆原さんが登壇しました。


大地を守る東京集会は、1978年から始まった生産者と消費者の交流イベント。会場ではマルシェにカフェに映像祭、子供向けワークショップや「餅つき・ながーい海苔巻き」体験、園芸福祉セミナー、就農相談など、様々な企画が目白押し。その中の一環のトークステージイベント「農業ってカッコイイよね」にて、NPO法人「農業のこせがれネットワーク」のいわて山形村短角牛・柿木畜産の柿木さん(写真左)と(株)みやじ豚の宮治さん(写真中央、NPO代表理事CEO)達と一緒に、T2S代表の漆原さんが登壇しました。


会場は、大田産業プラザPio。私・平松の地元ということもあって、個人的には張りきって会場入り。開場前から長蛇の列が出来るほど、盛り上がっていたイベントでした。

本番前のトークステージ打ち合わせ現場に私も潜入(写真左)。T2Sが進めている「トレタテ江戸前食材プロジェクト」について、限られた時間でどのようなことを伝え、何を感じてもらうか。終始なごやかな雰囲気の中、こせがれネットワークの皆さんと大地を守る会さん達と一緒に、綿密な最終打ち合わせをしました。


いよいよイベントが始まりました。T2Sが登壇した「農業ってカッコヨイよね」の前段は、J-WAVE「LOHAS SUNDAY」のラジオ公開収録カフェトーク! パーソナリティの丹羽順子さんによる軽快なトークで盛り上がるギャラリーを前に、我々のステージが始まりました。


こせがれネットワークのお二人のトークは、まさに「農業ってカッコイイ!!」と思えるものでした。

柿木さんは、農業と我々消費者との関係について「お金の使い方」をキーワードに話されておりました。「人間、すぐにでも変えられるのは、お金の使い方だと思うんですよ。毎日のお金の使い方を少し変えるだけで、農業にインパクトを与えられる。一年間で一回でもいいので、自信作の短角牛を買って食べてみてください」という趣旨のお話をされていました。

また、宮治さんは、都会で暮らす農家の息子達(こせがれ)を集めて「こせがれネットワーク」を立ち上げた経緯について「社会に対して何かしたい、と思っている人は、別に大きな事をしようと思わなくていい。楽しく、ちょっとでもできることを、すぐにやる。僕たちはそういうことをやっている」という趣旨のお話をされていました。


いよいよT2S漆原さんのトーク。漆原さんは、「トレタテ江戸前プロジェクト」を構想したことについて「我々は、農業については素人です。しかし、食べることについてはプロだと思っている。我々消費者は、毎日食べなければ生きていけない。食べることに対しては少なくともプロだと思っているんです。消費者としての立場で、もっと出来ることがあるのではないか。そう思って立ち上げたのが、このプロジェクトなんです」。

地球の裏側で採れた野菜を、新鮮さを失った段階で口にする毎日の都市の生活をどうにかしたい。農業白熱教室の話も含めて、話は多方面に展開されました。

会場は大いに盛り上がったまま、トークステージは終了。「トレタテ江戸前プロジェクト」は、大きく進み出しました!皆さん、今後もT2Sおよび本プロジェクトを宜しくお願いします!

レポート:T2S広報担当

(参考)
※地球サミット2012Japan…2012年にブラジルのリオで開催される地球サミット(Rio+20)に向けた、官民の有志によるプラットフォーム。若手官僚、放送作家、大学教授、若手社会人、NPOと多くのプロボノ達がつながるネットワーク(http://earthsummit2012.jp/home.html)。
※トレタテ江戸前食材プロジェクト…昨年8月、立教大学で開催された地球サミット2012プロジェクトの1回準備ダイアログにおいて、T2Sの平松が提案したサスティナ・プロジェクト。当日の様子とプレゼンの内容が分かる動画はこちらから⇒(http://earthsummit2012.jp/events_info_100829.html)一番下の動画の32分時点頃。

2011年2月25日金曜日

【情報共有】1.18白熱「無縁」教室・議事録レポート!

去る平成23年1月18日、都庁会議室にてT2S×NHK「日本の、これから」座談会〈無縁社会〉参加報告会-都庁版・白熱教室のスタッフによるスピンオフ企画第2弾が開催されました。 今回は、当日の様子をお伝えするとともに、次回無縁社会企画第2弾に向けて、白熱した第1弾の議論の内容を、皆さんとシェアしたいと思います。

当日会場の様子

右:司会進行・塗田
左:議事録・島田
この企画は、 昨年秋にサンデル講義の報告会を行った「都庁版・白熱教室」のスタッフ・T2S漆原と平松が、今度はNHKの市民参加型討論番組「日本の、これから」の座談会に参加したことがきっかけでした。昨年夏、東京大学で開かれた白熱教室in Japan でサンデル教授から「宿題」として出されたものの、実現しなかったテーマこそが「無縁社会」。その後、この問題は国内で大きく取り上げられ、NHK「日本の、これから」の討論テーマにもなり、その番組の座談会に出席した経験を広く共有するため、開かれました。


当日の司会進行を務めたのは、本企画の連絡調整も担当したT2S塗田さん。司会の開会によって、白熱「無縁」教室は始まりました。

第1部は、実際にNHK「日本の、これから」番組座談会に参加したT2S広報の平松が、渋谷のNHKスタジオでの白熱議論の体験を報告。無縁社会と自身との関わりについて、自らの経験談とともにプレゼンしました。

平松プレゼン:無縁社会と無縁なのか。
 「自分が無縁社会に生きているなんて、最初は想像もしていなかった。地元で生まれ地元に育ち、地元を職場としている自分に、そんな実感はなかった。」「しかし、自分の身近(地元)に起きた2つの事件をきっかけに、無縁社会について考えるようになった。」「誰もが、無縁社会と無縁ではない。少なくとも、疎遠社会を生きている。無縁社会が迫っている。今では、そう考えるようになった」(発言録より)。

無縁社会について何か行動を起こすという議論には、「官か民か」という議論ではなく「官も民も」「官としても、民としても」(誰もが出来ることをやる)というスタンスが必要であることを述べました。
第2部は、T2S代表・漆原がファシリテーターを務める「都庁版・白熱教室@無縁社会」。無縁社会について参加者と「対話」を通じて、理解を深めていきました。



<以下、第2部議事録>


第二部は、まず参加者を4グループに分け、1人につき30秒間、「自己紹介」「無縁社会との関わり」「無縁社会を変えていくために自分ができること」を話し合いました。そのうえで、各グループの代表がグループ内に出た意見を発表しました。


グループ1(構成員は大学生3分の1、会社員、教育者):

「縁の薄れをいろいろな場面で感じていて、何かしらの縁を私たちは求めている。また、縁の種類で言うと、血縁<社縁、社縁<また別の縁となっている。」

グループ2(構成員はほとんど公務員):

「無縁社会とは無縁ではないというのがグループ内の共通認識で、それが土台となっていました。また、ネットワークがキーワードにもなりました。」

グループ3:

「無縁社会とは無縁ではないとう考えが挙がりました。また、血縁は維持されているが地縁が薄れているという意見も出ました。」

グループ4:

「自分は無縁ではない、という点がメンバーの共通認識でした。特定の弱者が無縁になるのではないでしょうか。」



各グループでのブレストができたところで、都庁版・白熱教室のスタートです!

《以下、白熱教室》



漆原:


ファシリテータ-を務めるT2S漆原(右)と平松

無縁社会って何なんでしょうか。今日は、このテーマについては話しあって、できれば1カ月後に2回目を開催して今回の議論、対話の中から私たちが実際に何ができるのかを一歩踏み出してみたいと思っています。

NHKの座談会の中ではこうすべきを議論しましたが、私たちは、無縁社会について議論し、考えを共有し、さらに先へと進んでいきたいと思っています。


現代は、自由、平等、経済的豊かさという、人類が求めていたものを得られている時代になりました。なのに、無縁社会になってしまったのでしょうか?そして、無縁社会とは何なのか、全体で話をしていきたいと思います。」

では、そもそも縁とは一体何なのか。「これ何かの縁」のときは「運命」的なニュアンスだし、「縁起が悪い」の「縁」は仏教からきています。

サラリーマンは、社縁を大事にして、会社のために働いてきました。しかし、終身雇用制度が失われて、成果主義が台頭すると、会社にはサラリーマンの居場所がなくなります。そこで家に帰ってみると家庭でも居場所が無いってことになります。

先日、サンデーモーニングで倉本聰さんがある映画について言及していました。その映画の中では、現代を目の当たりにした帰還兵が「俺たちは何のために戦ってきたんだ」と叫んでいました。倉本氏は、人間はもはや「ホモサピエンス(賢い)」ではなく、「ホモサスペンス(不可解)」であるのです。

また新渡戸稲造の武士道の精神では、「思いやりと自己犠牲の追求」であるといっています。

そもそも自己犠牲とはなんでしょうか?犬は、社会性のある動物と言われます。私事にはなりますが、先日、庭にいる犬に餌をあげていたら、どこからともなく子犬がやってきてその餌を食べてしまいました。でも、私の犬は全然怒りません。そんなことが2回も続きました。つまり、私の犬は子犬に餌を食べさせていたのです。私の犬はオスなので、その行為は母性とは関係ありません。弱者に対しては施しを与え、自分は我慢するという行為は社会性をもった動物の遺伝子ではないでしょうか。

また、スティーブンスピルバーグの映画 「A.I」の中には主人公に尽くすことで満足感を得るロボットが登場します。このように他人との関係性の中に満足感を得ることが人間の本質ではないでしょうか。」

では、つながりを持つということは何でしょうか。無縁社会とは一体何でしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。

男性:

「無縁社会はありえません。つながりが極端に薄くなって、物理的な縁以上のレベルに到達しないのが無縁社会と言われているのです。現代は豊かさが達成されて人々は強く繋がる必要がなくなったのです。」

漆原:

「いま世の中に300万人いるといわれている引きこもり、不登校はどうでしょうか。また、実際に孤独死もあるわけです。」

男性:

「縁を意識的に拒否したのが引きこもりです。しかし、現代社会はそれでも生きていくことができる。引きこもりはこれまでの人間性を否定し、縁を意識したくないという思いの表れです。これまでの社会は縁を持たないと生きていけなかった。しかし、現代社会は縁なしでも生きていける。逆に、煩わしくさえもある。引きこもりは、縁と程々に付き合えないので、見えないネットワークの中で生きていくことで自分の世界を創り上げているのです。」

男性:

「情報過剰な社会で人の心は疲れている。その結果、私たちは周りに関心を持てないでいるのです。」

男性:

「『空気と戦争』に書かれていたが、日本には社会がなくて世間があった。世間では人々は同じ時間を過ごさないといけなかった。また、経済的にも世間に属さないと生きていけなかった。しかし、自由を求めて経済的な豊さを達成すると、周りにはだれもいないという状況になっていた。

また、引きこもりや今の若者は友達をご飯にも誘えない。それは、いくら自分が寂しくても誘った結果、断られるのが怖いからである。そういう考え過ぎるとことがある。

男性:

「昔は、情報を得るために縁が必要であった。しかし、現代では家にいながら様々な情報にアクセスできる。人とインターネットを天秤にかけた場合、インターネットの方が簡単に関係を断ち切れる。」

女性:

「『人間の器量』の中で「日本人はなぜ小粒になったか」という問いに対して、著者はその答えを「それは人を育てなくなった」としている。仕事においても、上司は誰にでもできる表面的なことは教えるが、心の内面にまで踏み込んでいかない。また、出世欲のある人は上ばかり目指し、下を見ない。だから、自分にとって有益な縁は大事にするが、無益な縁は大事にしない。」

漆原:

「縁が面倒くさいという意見が出ました。また、ネットがあるのだから、そもそも縁はいらないのではないか、という意見も出ました。縁って一体何なのでしょうか。情報を得るための縁、自らのパフォーマンスのための縁という考えを含めて縁とは何かについて考えたいと思います。」
男性:

「縁とは道楽ではなくて、生きるために必要なものである。その昔、人は農業、狩猟を一人ではできなかった。しかし、今はそんなことはない。その結果、縁は道楽に切り替わった。この中で近所の回覧版の名前を全員言える人はいますか。
(全員知っている人はいなかった)

当時は、ほとんどの人が全員言えました。しかし、今はその逆でほとんどの人が言えなくなっている。無縁社会において過去と大きく違うのは近所付き合いです。では、なぜこんなに近所付き合いが変わったかというと、それは必要がないからです。」

男性:

「ここに集まっている人々は無縁社会でも困らないが、ただそれが好ましく思っていない人々である。かつては、学校という情報を得るために、小学生を家庭にもつ人々はつながっていた。ただ、現代は自分にとって都合がいいかどうかでコミュニティを使い分けている。子どもたちも公立に入ったり、私立に入ったりしているため、バラバラになりそこからネットワークをつなぐのも大変である。たとえ同じ地域であってもつながりがなければ無縁社会である。」
男性:
「自分にとって都合のいいものが縁だとは思いたくない。人は好き嫌いに関係なくコミュニティの中にいる。誰かが困っているから助ける。それがコミュニティである。コミュニティを利益・不利益で考えるから無縁社会という言葉がでてくるのだ。この地球に生きている皆同士に縁がある。地球の裏側にいる貧困をどうにかしたいと思うのは何故か。それは、私たちがつながっていて、助けたいと思うからだ。負も正も含めて、縁が必要である。」
漆原:

「しかし、今の社会はそういう風に思えなくなってきたのではないでしょうか」
女性:

「縁とはコミュニケーションです。「縁」という言葉を作った人間が「無縁社会」を作った。現代は情報がたくさんあるので、人との疎通をしなくてもよくなった社会である。」

漆原:
「メールとか、昔の人と比べると、めちゃくちゃコミュニケーションしてますよね。」
女性:
「でもそこにはface to faceのコミュニケーションがない。また、メールなら何回も書き直せる。」

漆原:

「TwitterやFacebookは流行ってますよね」

女性:

「多くの人は最先端の技術に飛びつく。メディアの作った流れに乗ってしまっているだけではないか?それがいいことかどうかはわからない。」
男性:

「若者はface to faceのコミュニケーションを難しく感じ、恐れている。」

漆原:

「何故でしょうね。若い人の中では、目を合わせられない人が多いんですよ。」

男性:

「自分を否定されるのが、怖いのではないか。」

漆原:
「私は逆で、人と会っていた方が、元気になる。」
男性:

「現代は、自己完結型の人間が多い。ひきこもっていても許す親がいる。昔は電話の方が怖かった(会場笑い)。でも、どんなに嫌なことでも立ち向かっていかなければならなかった。今はみんな軟弱になっている。」

男性:

「若い人は、本当は繋がりたがっているではないか。」
漆原:

「人は無縁社会とは無縁になれない。なぜ、社会はつながりを持とうとしなくなったのか」

男性:

「海外のどの民族でも国でも、社会を構成する上で、縁を持たざるをえない。しかし、アフリカでも情報化社会が押し寄せ、人とのつながりは疎遠になりつつある。マサイ族は携帯を皆持っていて、かつての井戸端会議もなくなりつつある。無縁社会は全世界の普遍的な問題である。では、なぜ日本だけがこの問題をクローズアップしているのか。日本の場合、対立や批判を避け、協調性を図る文化がある。メールやTwitterも何度も書き直しができるため、そこに批判が生まれることは少ない。日本の文化あってこその無縁社会である。」

男性:

「人はなぜつながろうとするのは、本質的な問題で、そこに理由はない。それほど人間にとって当たり前の行動である。心の奥底では人とつながっていたいのに、周りの人に関心が持てない人たちが、メールやTwitterに逃げている。」

漆原:

「ひょっとしたら引きこもりや核家族の人たちもつながりたいと思っているのではないでしょうか?社会とつながる何か良いきっかけはありますか」

男性:

「それは心に関する再教育です。私が子どもの頃、家の近くの見ず知らずの土木作業員が笑顔で私に「いってらっしゃい!」。と言ってくれました。そうすると、私も嬉しくなって「行ってきます」と答えるわけです。こういう嬉しいなって思える心のつながりが縁なのです。毎日立ち寄るコンビニの店員が「今日は暑いですね」って言ってもいいわけなんですが、今の社会にはそれがない。でも、そう言ったやり取りはメールではできません。」
男性:

「「おひとりさま」で死ぬ権利もあるのでは?TVは恐怖感を煽るような報道をしている。理念的な話は生産的ではない。無縁社会は問題かどうか、問題だとしたらどうするのかを話し合っていきたい。」

漆原:

「無縁社会はそもそも問題なのでしょうか。」

男性:

「私は13年間、引きこもりについて取材を重ねてきました。昨年、これからの社会を予見するような事件が発生しました。それは、秋田県で50歳のひきこもりが、30年間引きこもった末に父親に殺された事件です。近所の人も、民生委員の人も引きこもりの存在を知りませんでした。40代以上の地域から孤立した壮年者が世の中にはたくさんいます。今の社会は彼らが一度社会から離脱すると、もう戻れない仕組みになっています。なぜ戻れないかというと、そこに罪悪感があるからです。「怒られるのではないか」「自分が責められるんではないか」「自分は、家の恥なのではないか」と引きこっている人は思うわけです。その結果、ひきこもり当事者も、その家族も、周囲とのつながりが希薄になっていきます。「甘えていいんだよ」「相談していいんだよ」という社会に変えていかなければなりません。」

漆原:

「極端に思えるけど実は意外と多い、このような人たちを何とかしたいですね。生活に困っている人は生活保護の受給資格があるにも関わらず、当人が申請してはいけないのではないかと思っています。だから、どこの誰に申請したらいいかもわからない。でも、なんで人は引きこもるのでしょうか。」

女性:

「私は中学生で引きこもりになってしまった女の子を知っています。この子はしっかりしてる子」と周りから言われて育った子でした。でも、クラス替えで仲の良かった友達と別れて自分を守ってくれる人がいなくなってしまい、次第に孤立していき、ついには引きこもるようになってしまいました。今は、意見のぶつかり合いやケンカしたことない人の方が多い。Yesマンばかりの社会のように思われます。」

漆原:

「スクールカーストはありますね。ここでは上の人には逆らわなく、いい子ちゃんであろうとする。この状況に対して大人は何ができるのか。また、ひきこもりの高齢化も問題です。引きこもりが社会全体に蔓延しています。なぜそういう状況になってしまうのか??

スライド「出来ることから、やってみる」
皆さん、多くの意見をもらっても十分に吐き出せない部分が多いと思います。このままでは終われないと思います。今の無縁社会の問題をどう捉えていくべきか。本日、問題点を皆さんで共有したうえで一か月後に何をもって前に進めるかを考えていきたいと思います。

芥川龍之介の著書に『杜子春』という話がありますね。戦後60年が経ち、豊かさを手に入れた私たちは杜子春のように、大事なものを見失っているのではないでしょうか。私は無縁社会の座談会に出席し、無縁社会とは決して無縁ではない、と気づきました。最近、親にも電話していません。また、このような活動をしているため息子にもなかなか会えてません。無縁社会の当時者としての自分が何をできるのかを考え、私はいまGo-en projectを計画しています。そこで、皆さんにも次回の無縁社会の白熱教室までの無縁社会の当事者として何ができるかを考えてきてほしいと思っています。」

男性:

「漆原さんのまとめの後で恐縮ではございますが、私にも一言言わせてください。確かに、現代は一人でも生きていける世の中です。しかし、縁は大事にしていきたいものです。予測では2030年の男性未婚率は3割、女性未婚率は2割になると言われています。社会が持続可能であるためにはこれではやっていけません。やはり人間あっての社会なのです。Twitterではなく、リアルなつながりをもった社会を目指していかなければならないのです。TBSの報道によると持続可能な社会の先駆けでもあるデンマークではいま無縁社会が深刻化している、とのことでした。」

(ここで時間終了)

議事録レポート:島田一樹

2011年2月1日火曜日

朝日新聞社の取材を受けてきました!


2011.1.3.asahi

昨年(2010年)暮れの12月22日、T2Sの活動について、朝日新聞社の取材を受け、その内容が本年1月3日の社説に掲載されました。取材は、T2S主催者・漆原、広報担当・平松が受けました。なお、小生・羽成も見学という形で参加させていただきました。

◆問題意識の所在

この社説は、「政治と市民」というテーマのもと、現在の日本の政治・社会・経済においての閉塞した環境で、市民がどのように政治に関与していくかというのが問題でした。T2Sにおける白熱教室のような活動を通じて、市民一人一人が政治、広くは社会へ対する問題の意識付をするということの必要性を問うていますね。さらに言えば、「知的エリート」という存在が日本に少なく、それらを発掘していくこと、そして彼ら一人一人が自分の意志で問題点について考察すること、考察したことをメディア、ネット等の媒体を通じて情報として発信すること、これらが可能になるかということでしょう。

◆「T2S白熱教室」を通じた政治への市民の関与について

 日本人は、政治について他人事となる一面があります。これは日本人が政治と聞いて感じるもの、例えば「汚職」「政治とカネ」といったものを想像するからでしょう。T2Sの活動においては、そういった政治の暗部ではなく、純粋に社会問題を考える場を作る(=プラットフォームの設置)というところに特徴があるといえます。そして、そのプラットフォームにおいて、市民一人一人が問題を考える。白熱教室というタイトルは、一人一人が意見を出すだけではなく、実際に意見を発信していくという意味で、市民の政治に対する関与ということに繋がっていきます。このような、問題意識を持った人が集まり、議論を行うことは、「参加型直接民主主義」の実現と言えるかもしれません。

◆現在の日本で、持続可能な社会を実現するために、私たちは何が必要か?

 「無縁社会」、「国家財政に係る問題」、「尖閣諸島問題」、・・・と現在の日本は問題がないところを探すのが難しいくらい、社会の各部分部分に問題や課題が山積しているといえます。市民一人一人が政治に対し関心を持たざるを得ない状況になりました。言ってしまえば、「自助」ということを市民一人一人に求められる時代になり、政治や経済における各問題から背を向けられなくなりつつあります。

 我々は、日本という社会に所属する以上、このような問題から目を背けることができない状況にあります。現在の社会をどのように活性化させるか、あるいは今日より明日の現実をどのようによりよくすればいいのか。つまり「持続可能な社会」を構築するにはどうすればよいのか。すなわち政治や経済、さらに環境といったトリプルボトムラインに立脚した社会の構築のために、我々は何をなすべきか、何が必要なのか。

 このような中で、「白熱教室」という、問題意識を持つ市民レヴェルにおいて議論する場があり、そこからアウトプットされたものを世に送り出すことで、持続可能な社会を構築する礎となる必要があるということでしょう。

◆取材を受けて

このような社会問題を考えるプラットフォームとして、T2Sという場で考察をする。「考察」というのは読んで字のごとく「考えて察する」こと。そして、察したことを意見表明しますね。メッセージを社会に発することで、市民一人一人が、社会について考える契機になることでしょう。この意見表明は、ブログやツイッターというツールで、ネットを通じ、世界へ発せられます。市民一人一人が、インターネットを介在して、意見表明を行うことで、世界とつながります。

 取材した担当の方の関心の所在と、活動における問題意識がピッタリだった、というのが聞いていての感想です。「世論」の社会への影響力の行使する方法が、従来のマスメディアのみならず、ブログやツイッターを通じて行われているというところが現代における「主張」のありかたではないでしょうか。

◆社会の閉塞の中で

 現代は、社会における閉塞感が否めません。それは、政治や経済のみならず、日本人の絆という、従来日本の文化において確実に存在した部分にまで及んでいるのが現実でしょう。今回の社説は、日本社会における問題点の警鐘というように捉える必要があると思います。

 このような状況で、私たちは、活動を通じて世の中の閉塞を打破し、よりよい社会を構築する礎となるようにしていきたいと思います。意見を出し、それを世の中へ発信し、一人でも多くの人々を刺激し、巻き込むことで世を良くできればこれほど嬉しいことはありません。

レポート T2Sアクティブスタッフ・羽成隆

2011年1月2日日曜日

【告知】T2S×NHK「日本の、これから」座談会〈無縁社会〉参加報告会-都庁版・白熱教室のスタッフによるスピンオフ企画第2弾(1/18開催)

「白熱教室」の後に用意されていたのは「白熱座談会」だった。

昨年秋、サンデル講義の報告会を行った「都庁版・白熱教室」のスタッフが、今度はNHKの市民参加型討論番組「日本の、これから」の座談会に参加した。昨年夏、白熱教室in Japan でサンデル教授から「宿題」として出されたものの、実現しなかったテーマが「無縁社会」だった。この問題を、広く皆さんと一緒に考えるべく、座談会について報告する今回のイベント。皆さんのご参加、お待ちしております。

開催概要

日時:2011年1月18日(火)18:30-21:00(開場は18:00を予定)

場所:東京都庁第2庁舎10階201・202会議室【確定】 
参加費:無料

定員 100人程度(先着順)

プログラム :

第1部:白熱教室から、白熱座談会へ(18:30頃-)
〈内容〉T2S広報・平松による報告プレゼン

第2部:「日本の、これから」座談会にて(19:00頃-)
〈内容〉T2S代表・漆原による報告プレゼン

第3部:都庁版・白熱教室「東京の、これから。」
〈内容〉参加者皆さんと繰り広げるディスカッションを予定。

※途中退出・入室可。

申込方法:こちら(http://kokucheese.com/event/index/6819/)からアクセス。

【担当者コメント】
 昨年の8月、緊急来日したサンデル教授の講義に先立つ事前勉強として、サンデル教授から「無縁社会」について「宿題」が課されました。しかし、東大講義では、このテーマは扱われることなく、幻の白熱教室となってしまいました。しかし、その後T2Sメンバーのもとに、このNHK「日本の、これから」×無縁社会キャンペーンの話がきました。サスティナビリティと無縁社会。この二つは「無縁」ではありません。T2Sが参加している地球サミット2012Japanミーティングでも話題になりました。21世紀、この世界の目標は、サスティナビリティ(持続可能性)とダイバーシティ(多様性)とソリダリティ(社会的連帯)。無縁社会という問題は、このソリダリティというテーマに強く関わってきます。
 T2Sがこの座談会に出席した後、テレビで公開討論の様子が生放送されました。T2Sは座談会出席までに留まりましたが、座談会でご一緒した市民の方々も出演していました。その後、「無縁社会」は流行語大賞にもノミネート。昨年を象徴する言葉として、日本中に強く意識されました。
 来月上旬、NHKでも再び、この問題についてもう一度同じテーマで番組をやるようです。サンデル教授も注目した「無縁社会」。今の社会が直面しているこの問題について、多くの方々と対話を通じて考えていきたい。そう思い、今回の報告会および座談会を企画した次第です。

是非とも、皆さんのご参加、心よりお待ちしております。ご応募、お待ちしております。

2010年12月28日火曜日

平成22年10月30日公共政策シンポジウム:第11回政策メッセに登壇!

レポート大変遅れましたが、平成22年10月30日に明治大学で開催された公共政策シンポジウム:第11回政策メッセにT2Sメンバー(漆原、平松、矢原)が登壇してきたことをレポートします。


このシンポジウムには、東京大学の伊藤元重先生など著名な先生方も登壇したイベント。私たちは、特別ワークショップー3 環境問題「地球サミット2012を創る。~Earth Summit 2012 Project~」の持ち枠の中で(T2Sとして地球サミット2012準備事務局に参加している関係もあり)、谷崎テトラさん(放送作家、WorldShift Network Japan代表)、佐藤正弘さん(InterGreen代表、金融庁総務企画局市場課課長補佐)、佐野淳也さん(立教大学21世紀デザイン研究科准教授)とともに、T2Sメンバー3名が参加してきました。その様子はUstで見られます。



*101030地球サミット2012を創る@第11回政策メッセ

http://www.ustream.tv/recorded/10508548

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
当日は、関東地方に台風が直撃したということもあり、参加者が少なかったですが、そのようなことは気にせず「EarthSummitActions事例報告~民による民のための公共政策を創りだす~」というプレゼンテーションを熱く行いました。


 私は、公共政策シンポジウムということで、改めてT2Sや地球サミット2012Japanの活動とは何かと考えました。 私の結論は、我々の活動は、“民による民のための公共政策だ。”ということだと考えました。政府や行政の行っているものだけが公共政策ではないのではないでしょうか?市民が公共のために行う活動もある。それも公共政策でなかと。いやむしろ公的な組織の行っている公共政策よりも公共、社会のことを考えているのではないかと思いました。そのことをエコポイントを例にして公的な組織が行っている公共政策と我々市民が行っている公共政策と対比して説明しました。

 そして、実際にT2Sでプロジェクトリーダーとしている2人に登壇してもらい、リレートーク的にプロジェクトを説明してもらいました。

第12回公共政策シンポジウムが来年3月12日に予定されているようです。

http://www.policy-net.jp/archives/cat_1096604.html

 次回も参加して何か皆さんに発信できたらと思います。

(レポート:漆原隆浩)

2010年12月25日土曜日

T2S、地球サミット2012Japanの賛同団体に-準備事務局メンバー入りも果たす-

標記の件についてお知らせです。

このほど、Tokyo Think Sustainability(T2S)が、正式に地球サミット2012Japanの賛同団体となりました。アクセスは、こちら(http://earthsummit2012.jp/home.html)から。

地球サミット2012Japanは、2012年に開催される地球サミットに向けて、世界と日本を結ぶための、開かれたプラットフォームです。「政策や技術の発信、ライフスタイルや文化の実践、対話やつながりを通じて、日本が描く未来の姿を世界に届けます」(公式HPより)。

また、T2S代表の漆原さんをはじめ、T2Sは地球サミット2012Japan準備事務局のメンバーとしても活動しております。アクセスは、こちら(http://earthsummit2012.jp/concept/staff.html)から。

T2Sはかねてより、地球サミットActionsとして、プロジェクト提案もしております。今後も、地球サミットに向けて活動をして参りたいと思います。

レポート:広報担当